日銀出身の稲葉新NHK会長への期待

私は間違いなくNHK狂です。子供の頃はNHK以外のテレビを見るのはひと苦労でした。

祖父がほかの局を見せてくれませんでした。NHKは自ずと身近になりました。

小学6年生の時に卒業文集に将来はNHKの特派員になると書いたほどです。

現在もNHK以外のニュースや番組を視ることはまずありません。

NHKニュースは面白みに欠けますが端的に内容をつかむには適当です。

番組の質は追随を許しません。特にBSプレミアムの特別番組は秀逸です。

NHKの使命は的確な報道と良質な番組の提供にあると思ってます。

NHKの新会長に日本銀行出身の稲葉延雄さんの就任が決まりました。

日銀とNHK、ともに”国営”あるいは”半官半民”のイメージが一般的だと思います。

両機関とも政府とのつながりが深いのでそうした印象を持たれますがともに独立機関です。

稲葉さんは日銀でエースとして活躍しその後リコーで取締役会議長を務めました。

日経新聞によれば「リスク恐れぬ仕事師」との人物評が紹介されていました。

NHKは総務省が求める業務の見直しや受信料の引き下げなど難題に直面してます。

稲葉さんは記者会見で日銀出身者らしく「公共性」を強調していました。

NHKは「公共の福祉」のためにあるので稲葉さんの発言は的を得てます。

「公共の福祉」を実現するための大前提として放送法が規定する条件があります。

不偏不党、放送による表現の自由、健全な民主主義の発達などです。

一党一派に偏することなく多様な見方を提示することは放送の基本です。

特定の集団に忖度して表現を捻じ曲げるようなことがあってはいけません。

明確な根拠に基づいて放送しなければならないとも言い換えることができます。

選択肢を示し国民に議論の素材を提供して民主主義の発展に努めなければなりません。

NHKは上記の原点を忘れず的確な報道と良質な番組を提供することに傾注して欲しいです。

ネット時代に適応しようと業務拡大を急ぐ必要もありません。無理な効率化も逆効果です。

世界水準の的確な報道と良質な番組を提供し続ける放送局として名を馳せて欲しいです。

その基本があれば国民の支持は得られます。直面する諸課題も解決の方向に向かいます。

ときおり再放送される過去のNHK特集などは今視ても全く色あせていません。

現在の番組に過去の特別番組に匹敵するだけの力作があるか不安になります。

公共性重視を打ち出した稲葉新会長が年明けに就任した暁には原点回帰を望みます。

原点とはNHKでなければ放送できない報道や番組を電波に乗せることにつきます。