核戦争の脅威から抜け出せるか正念場は続く
ウクライナ戦争に関して我々が日々接する報道の発信源は大半が西側情報によるものです。
森元総理が日本の報道は西側の報道に偏っていると批判したのも間違いではありません。
アメリカの著名な経済学者のジェフリー・サックス氏の見解が目に留まりました。
ロシアが悪でウクライナが善という見方から脱却し歴史的経緯に即し見ることを促してます。
1990年に東西ドイツの再統一が決まりました。これをロシアは容認しました。
アメリカを中心とする軍事同盟のNATOの東方拡大はないとのアメリカの約束がありました。
1991年にはソビエト連邦は崩壊しロシアも市場経済の急速な導入で混乱を極めました。
弱体化したロシアを尻目にアメリカは1999年よりNATOを着々と東方に拡大しました。
2019年までに黒海沿岸国のブルガリア、ルーマニアを含む13か国拡大しました。
現在戦場となっているウクライナもNATOの東方拡大のさなかに加盟へと傾きました。
プーチン大統領はウクライナの動きの背後にはアメリカの存在があるとして抗議を続けました。
2014年にはロシアの軍事港湾があるクリミア半島を一方的に併合しました。
アメリカの支援でウクライナに親西側政権が樹立され危機感を深めたロシアの反応でした。
NATOの東方拡大は止まらないと見たプーチン大統領は今年2月に最終手段に打って出ました。
軍事侵攻したのはロシアだが追い込んだのはアメリカというのがサックス氏の見立てです。
今年3月にロシアとウクライナとの間で停戦交渉が行われました。
ウクライナの中立を前提に話し合いが進むかに見えましたがとん挫しました。
サックス氏はアメリカとイギリスの反対によるものだと明言していました。
ウクライナを舞台にした米英とロシアとの間の勢力争いが展開されていると見ています。
今月に入りロシア国内の軍用飛行場が無人機による攻撃を受け爆発が相次ぎました。
ウクライナによる攻撃だと見られてます。戦争が拡大する危険性が高まりました。
プーチン大統領が面子を保つための最終カードは核兵器の使用です。
サックス氏は米ソ首脳が直接対話する以外に危機を脱する道はないと提起してます。
1962年のキューバ危機はケネディ大統領とフルシチョフ首相の直接対話で妥協しました。
同じように英知を発揮しない限り核戦争の危機は深まるばかりだとしています。
傾聴に値する意見だと思いますが首脳間の対話の環境は煮詰まっているるとは思えません。
危機が抜き差しならぬ状況になった時にどうするかです。キューバ危機の時もそうでした。