小さな自治体から日本の危機突破へ

明治維新で日本は欧米の制度を一気に導入しました。

多くの国民は激流に翻弄されたと推測します。

尊王攘夷が合言葉だったはずが開国にひょう変です。

戸惑わない方がおかしいです。

「和魂洋才」という言葉が生まれたのは戸惑いの産物だと思います。

日本人のこころは堅持して有用な学術は取り入れようとの姿勢です。

苦肉の精神的な態度と言えます。

こうした構えに一石を投じた人物がいます。

文豪夏目漱石です。

明治天皇が崩御する前の年1911年8月和歌山で行った講演です。

「現代日本の開化」というタイトルでした。

「皮相上滑りの開化であるということに帰着するのである。」

日本の近代化をこう断じています。問題はここからです。

漱石は日本の近代化を単純に批判していません。

「涙を呑んで上滑りに滑っていかなければならない。」と語ってます。

欧米に追いつくためには急ぐしかないというあきらめがあります。なす術がないのです。

漱石の講演は1世紀以上前のことですが身につまされます。

バブル経済が崩壊した後日本は停滞の時代に突入しました。

早くも30年ひと世代が過ぎました。

依然として明確な明るい希望を持てないままです。

このままで日本は大丈夫なのかというよどんだ空気感が拭えません。

新しい資本主義だ、GXだ、DXだ。

掛け声は盛んですが実態は伴ってません。

漱石が嘆いた時の状況と似通ってます。

なぜ日本は停滞しているのかもっと掘り下げなければなりません。

根本原因を探り多方面から処方せんを描かなければなりません。

頭では分かっていても本格的な動きになりません。

政府から繰り出される机上の提案を追いかけることで精いっぱいなのが実情です。

あきらめの境地で流されているだけと言えます。

日本の危機の根幹とされる人口減少、少子・高齢化。

政府も地方自治体も本当に自分事として捉えているとは思えません。

本気ならばここまで事態は深刻化しません。

もちろん必死で取り組んでいる自治体もありますが少数です。

日本はこのまま衰退の道を転げ落ちるしかないのでしょうか。

新年を前に暗たんたる気持ちにさせられます。

日本を守ると威勢の良かった自民党が増税となると途端にしり込みです。

こんなことでは日本はもっともっと苦しむでしょう。

だからといって日本全体を一気に変えるのは手品のようなものです。

小さな自治体に可能性を見い出してます。

革命を起こせるような首長が誕生すればその自治体が突破口になります。