日本政治の劣化を止めるのは誰

安倍派の跡目をめぐる迷走は日本の政治の劣化を見せつけています。
安倍元総理はいないのに安倍派と称していのは、はき違えです。
安倍元総理が水戸黄門の印籠なのです。
亡霊にすがって存在感を高めようとしているようなものです。
日本を支えている自民党の最大派閥のあるべき姿ではありません。

安倍元総理は銃殺という非業の死を遂げました。
このインパクトが強過ぎたことがポスト安倍の動きを鈍らせています。
安倍元総理のカリスマ性が増したと思い込んでしまうからです。
安倍元総理の金看板は永遠に不滅みたいに考えてしまいがちです。

思い違いです。
電光石火、後継を決め、まとまりを堅持することが大前提です。
それで初めて安倍元総理はカリスマ性は守られます。
主人公は安倍元総理ではなく後継者たちです。
後継選びが長引けば安倍元総理のカリスマ性もへたれます。
安倍元総理に寄りかかり過ぎたことのつけが出てます。
寄らば大樹の時間が長すぎ自ら泥をかぶり動けないのです。

自民党の萩生田政調会長、参議院の世耕幹事長が台湾を訪問しました。
安倍派幹部の相次ぐ訪問は違和感があります。
台湾は米中対立の最前線と化し緊張感が高まる一方です。
台湾は強大な大国中国と向き合っています。
台湾政府にすれば中国との対峙は命がけです。
その地を訪問することは台湾有事の際には支援する覚悟が必要です。

萩生田、世耕の両氏にそれだけの不退転の決意があるのか疑問です。
安倍派の跡目争いに有利との思惑を感じてなりません。
台湾訪問前に萩生田、世耕両氏の間ですり合わせするのが本来です。
どちらかが代表として訪台するのが礼儀です。

現代の日本の政治の劣化は泥をかぶる政治家がいないことです。
見苦しい限りの跡目争いに終止符を打つ時です。
身を挺して結束を呼びかける人物が出てこないと安倍派はじり貧です。

こうした役回りを演じるのは長老とは限りません。
最有力候補が引いて2番手を立てるあるいは逆とか。
萩生田さんが引いて世耕さんを立てるまたはその逆のケースです。
有力候補者のうちの何人かが特定の誰かを押すとか。
松野官房長官や稲田元防衛大臣が萩生田さんを推すケースとかです。

おれがおれがの欲望を制する胆力の競争だと見てます。
まとめあげる政治家がいればその政治家が中核となります。
派閥の長が実力者とは限りません。
欲を抑え身を捨てることができる政治家が真の実力者です。
そうした政治家が日本の政治の劣化を止めます。