謙虚さを忘れた政治は混乱し政治家は退場する
アメリカ議会下院の議長が決まりません。
多数派を占める共和党内が分裂しているからです。
保守強硬派、トランプ前大統領に連なる面々です。
トランプ大統領の4年間でアメリカの分断は進みました。
最高権力者が人種差別を煽るような発言をするのです。保守強硬派は過激になります。
トランプ前大統領の言動でいちばん嫌悪感を覚えるのは敗北を認めないことです。
自分の敗北は陰謀だ、まやかしだと強弁し人の敗北は当然視します。
民主主義は成り立ちません。アメリカの政治をひどく傷つけてしまいました。
現在進行形の下院の混乱劇は瀕死のアメリカ政治の悲鳴です。
今回の事態はトランプ前大統領の負の遺産は容易には清算できないことを示してます。
選挙で敗れたら敗者は堂々と敗北を認め勝者は敗者の趣向を尊重する。
アメリカ政治の誇るべき伝統であったはずです。
トランプ前大統領は古き良きアメリカ政治を壊しました。
分断と罵声、混乱、眉をひそめる事態はより深刻化しています。
海の向こうの話しだと座視してはなりません。
政治の堕落は身近なところでも起きています。
2019年4月の神奈川県開成町長選挙。府川町長は薄氷の勝利でした。
現職有利といわれる3期目の選挙で新人の山神裕さんに32票差まで追い詰められました。
「勝ちは勝ち」。府川町長の当選後の発言です。
投票者の半分が反対票を投じ敗北とも言える選挙結果に居直りました。
山神さんに入れた有権者の存在を無視するかのような暴言です。
トランプ前大統領と同様に自分の支持者しか眼中にないのです。
これではまっとうなまちづくりができる訳がありません。
案の定、4期目の出馬は断念に追い込まれました。
できれば続けたいとの淡い期待はあったはずです。
支持離れが拡大しそうはさせませんでした。
開成町のまちづくりに詳しい知人から年賀状が届きました。
「失われた5年間を取り戻す時が来ました。」このような添え書きがありました。
町長の任期は4年です。年賀状は5年間となっていました。
開成町政をよく見ているなと感心しました。
府川町長の3期目の4年間+1年間の暗黒時代があるのです。
小澤前副町長を解任した時から水面下で迷走が始まったと見ているのです。
屋台骨を支えていた副町長を斬ったことが終わりの始まりでした。
トランプ前大統領のように側近をなで切りにしたとまではいきませんが同じ構図です。
謙虚な姿勢を失った町長に座る場所がなくなったのは当然です。