”小さくてもキラリと輝く”まちづくり路線の再発信

正月明けて神奈川大学の4月からの講義計画を大急ぎで作成しました。
3人のぼくちゃんたちがお母さんと実家に里帰り中です。
この時期を逃すとパソコンを占拠される時間が多く仕事がはかどりません。

新年度の政策過程論は原点回帰することにしました。
13年間町長を務めた開成町のまちづくりをテーマに講義を組み立てます。
タイトルは“小さくてもキラリと輝く”まちづくりにしました。
町長に就任した25年前に戻り開成町のまちづくりを再発信します。

このようなことを思いついたのには明確な理由があります。
日本全体の国づくりが“小さくてもキラリと輝く”方向へと進むべきだからです。
人口減少、少子高齢化の流れは奔流となってしまいました。
昨年生まれた子供の数は80万人を割ると言われます。
戦後のベビーブーム期は2百数十万人でした。現在は3分の1です。

現行の日本の経済社会制度は土台から崩壊しようとしているのは明らかです。
国内市場は縮小し中山間地の荒廃は進行します。
経済が持たなければ社会保障制度も持続できません。

日本は経済社会のあり方を根本から作り直す時期になりました。
そのスローガンとして“小さくてもキラリと輝く”は有効だと考えます。
日本が縮小する流れは止めようもありません。
激変を緩和しつつ国家としての輝きを増す戦略が不可欠です。

「小日本主義」というスローガンがありました。大陸への膨張主義に対抗する旗印でした。
今の日本はかりに膨張したくてもそのような体力はありません。
国家の質を高めていく戦略が最も有効です。“小さくてもキラリ”路線です。

岸田総理は「異次元の少子化対策」と華々しく打ち上げました。
それでいて具体策を3月までにまとめるよう指示しました。
岸田総理らしいと言えばそうですが急に検討したところで妙案は出ません。
4月に発足する「子ども家庭庁」が目玉なんてことになったら政権は持ちません。
担当する役所が発足したところで日本全体を一気に動かすことは不可能です。
地域事情の格差があまりに大きいからです。

小さな単位で考え実践の方策を練ることが土台にあって初めて政府の政策が活きます。
開成町だけをみれば人口減少・少子高齢化にある程度打ち勝ってます。
その理由をもう一度探り直し整理して問題提起することは意義あります。
ここにトライする全14回の講義とすることにします。
足元の小さな自治体の政策展開から日本は変えられることを学生に伝えます。