少子化対策、具体策なしでは”異次元”の掛け声倒れ

岸田総理は「異次元の少子化対策」と打ち上げました。中身は「検討中」です。
「異次元」と聞くと「異次元の金融緩和」が思い出されます。
いわゆる黒田日銀総裁による「黒田バズーカ」です。
大量の国債を日銀が買い受けることによる大規模金融緩和でした。
物価上昇率2%を目指すとしましたが目論見通りにはいきませんでした。
ウクライナ戦争によるエネルギー危機による物価高で目標を達成したのは皮肉です。
長期金利の上げ幅を0.5%まで拡大し大規模金融政策は転換点を迎えました。

こうした中で「異次元」という言葉が総理の口から発せられました。
大風呂敷を広げて再び実現のめどが立たなければ詐欺です。
「検討」した結果だとの言い逃れは通用しません。
具体の成果を示すことが出来なければ責任問題に直結です。

岸田総理は6月の骨太方針に具体の方向性を盛り込む考えだと報じられてます。
もはやあいまいな言い回しは許されません。
財源も含めて具体性が絶対条件です。

日本の少子化対策予算は高齢者対策予算に比べれば額は少ないです。
高齢者対策関係予算は20兆円を優に超えてます。
少子化対策予算は6兆円弱です。その差は歴然です。
大学教員の端くれの私から見て大学生を取り巻く環境は厳し過ぎます。
授業料がべらぼうです。

私の学生時代は国立年間3万6千円でした。今は53万5800円です。。
私立は初年度の納入金は文系でも百数十万です。
子供が3人私立大学ならお手上げ状態です。
学生はバイトです。コロナは打撃だったはずです。
奨学金があっても借りたら返さなくてはならないのが大半です。
子育て支援から大学生を取り巻く環境まで子供皮若者まで厳しい限りです。
日本の将来を切り拓くはずの子どもや若者を放置できません。
安心して子どもが育てられる、誰もが学べる環境を整えることが日本の将来を決めます。

予算の優先度の見直しが必要です。
高齢者に偏り過ぎている予算配分を可能な限り子供や若者に回す必要があります。
高齢者の数は増加しますので黙っていても予算額は伸びます。
高額所得の高齢者の負担増は避けられません。
将来を担う世代の為に予算を回すべきです。
こうした意見が高額所得の高齢者の側から出ないのは残念です。
高額所得の高齢者は指導的立場にある方がだんぜん多いです。
この階層の方々の意識変革が無ければ日本の将来は危ういです。
己の利益を守ることに一生懸命にならず国の将来に思いをはせて欲しいです。