不可解な菅前総理の言動

菅前総理の仕掛けが矢継ぎ早です。
裏に回っての手練手管は自他共に許す方です。
水面下で周到に策を練っての行動だとは思いますが…。
権力闘争を挑むにしては時期が早すぎるように思えてなりません。

正月発行の文芸春秋での岸田総理批判がまず取り上げられました。
派閥会長を降りないまま総理の座についていることを突きました。
大義名分としては弱いです。
前総理からの批判という重みでカバーし話題となりました。

原稿の締め切り時期からして昨年11月半ばには構想を練り終わっていたはずです。
岸田政権の先行き危うしと読み切ったのだと思います。
年明けから権力闘争の号砲を鳴らそうとしたのでしょう。
岸田内閣の閣僚のドミノ辞任が続いていたころです。

確かに低空飛行でしたが動くには常識的に早過ぎます。
岸田総理には5月の広島G7サミットという看板を持ってます。
それ以前に足を引っ張ると見られかねない言動には反発のリスクが伴います。
菅総理はあえて踏み切った訳です。

その後岸田総理には防衛増税の逆風が襲いました。
文芸春秋への寄稿の時点では想定していなかったはずです。
年が明けてから拙速な増税批判を強めています。
策士として知られる菅前総理ですが政局の見立てが万全か危うさを感じます。

菅前総理は派閥政治批判から狼煙を挙げました。
ここにまず菅前総理の関心があると見なければなりません。
岸田政権を支えるのは麻生派と茂木派です。
これに中心が定まらない最大派閥の安倍派が取り囲んでいる格好です。

二階派と菅前総理を支持するグループが外野に追いやられています。
岸田総理がらつ腕ならば麻生副総裁を説き伏せ菅前総理を閣内に取り込むでしょう。
裏方の荒業が得意な菅前総理が副総理格で入閣すれば重しになります。
推測するに麻生副総裁が納得しないのだと思います。
局面転換するため菅前総理自ら泥をかぶろうと決意したと見てます。

リスクは覚悟の上でしょう。何が目的なのかが焦点です。
再び総理の座を狙うならば自ら動いて火の粉を浴びるはずはありません。
誰かを次の総理総裁に担ぎたいとしても誰なのかすぐには思い当たりません。
連立政権の構図の組み直しを狙っている可能性もあります。

国民民主や維新を連立に入れる立役者を目指しているかどうか。
これは麻生・茂木ラインも狙っているでしょうから独壇場とは行きにくいです。
菅前総理の言動は謎めいてます。
惑わすことが目的なのかとさえ思ってしまうほどです。