戦争への準備だけが進む日本。

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昨日、横浜で『永続敗戦論』の著者、白井聡さんの講演会がありました。主催は、「自主・民主・平和のための広範な国民連合・神奈川」です。

左翼の立場から幅広い国民の連帯を求めていこうと運動を続けています。アメリカに従属していては真の独立は勝ち取れないということが根本の主張です。

白井さんは、1977年生まれで36歳。若い世代の研究者が対米従属の構造を分析し脱却しようとしていることに主催者は共感を持ち講演を企画しました。

白井さんの主張は目新しいものではありません。若い世代が問い直している点に新しさがあります。あと、時代の空気が関心を呼んでいるのだと思います。

敗戦なのに終戦としてきたことに戦後史の欺まんの原点があります。一億総ザンゲという言葉に象徴されるように戦争責任があいまいになります。

この構造により戦前の支配勢力が温存される形となりました。天皇制も維持されました。いわゆる国体は残ったことになります。

しかし、その根っこにあるのはアメリカに戦争で負けたといいう厳然たる事実です。アメリカに従属することによって日本の国体は維持されたことになります。

この戦後の構造が揺らいでいます。内政面では、3・11の原発事故で戦後体制が作ってきた日本の経済構造が根本から問い直されています。

対外的には中国との間で領土問題が発生しアメリカとの安保体制さえあれば大丈夫という根底が崩れています。日本は内外ともに転換の局面を迎えています。

安倍政権は戦争の準備をすることで局面を突破しようとしていると白井さんは指摘していました。特定秘密保護法もその一環です。

一方、安倍政権への対抗勢力はばらばらでしかも基本的な政策の一致がありません。数の上で圧倒的な勢力を誇る与党の前でなす術もありません。

白井さんの分析をうかがっていて日本は、危険な状態だと思いました。保守も左翼も戦後の総括できていません。その中で安倍路線の戦争準備だけが進みます。