地名、町名とまちづくり

地名には歴史が刻まれています。
私の住む開成町は島とか沢とか河原とか水に関係する地名が並んでます。
戦国時代までは平野を流れる酒匂(さかわ)川が幾筋にも分離して流れてました。
水の流れで平野が抉られて島ができました。
ここに人が住み○〇島などという地名になったと考えられます。

戦乱が終わり平和の時代の訪れると食糧の増産が課題になりました。
堤防を造り河川の流れをひとつにまとめ灌漑のための用水路を掘りました。
1600年代の新田開発の時代です。
コメの収穫量は一気に増大しました。

堤防で守られているという認識はおろそかになった可能性があります。
災害は忘れた頃にやって来るの警句が当てはまってしまいました。
1707年の富士山の宝永噴火とその後の大洪水です。
足柄平野地域のまちづくりは水害とは無縁ではいられないということです。
平時においても水害への備えを忘れてはなりません。

昨晩湯河原で土屋由希子さんのミニ集会がありました。
熱気あふれる20人余りの集会でした。地名は鍛冶屋でした。
痕跡はありませんが鋳物を扱う職人団の住まいであった可能性が高いです。
地域の神社で祀っているのは火の神であることからもうかがえます。
たたら製鉄だったかもしれないと妄想したくなります。
鍛冶屋という地名が残っていることを活かした地域を創って欲しいです。

南足柄市には「たたらど」という地名が残ってます。
たたらで鉄を造る職人が住んでいたのは間違いないところです。
酒匂川では砂鉄がとれます。森林資源も豊富です。
たたら製鉄が行われたと考えるのは妥当です。
発掘調査を行う余裕があれば解明されまちづくりに活かせると残念です。

開成の由来はとなると知る人ぞ知るです。
地名ではなく中国の古典から取った名前です。
かなりユニークな事例だと思います。
私の町長時代は結構宣伝したのですが最近はさして動きが見えません。

中国の儒教の主たる経典のひとつ「易経」に「開物成務」という熟語があります。
かいぶつせいむ、知識を開いて務めをなすという意味で教育のことです。
学校の名前に開成があるのはこのためです。

開成町はふたつの村が合併してできました。
両村で設立した小学校の名前が開成で町の名前にしたのです。
教育は再びまちづくりの焦点として浮上してます。
町の名前のが教育である町の使命は言わずもがなです。
教育分野で最先端を走ることです。
5月から始まる山神裕町政の挑戦を大いに期待します。