WBC日本代表、多様性とまとまりの強さ

21日22日の午前中はテレビから離れるタイミングが難しかったです。
WBCの準決勝と決勝の激闘のせいです。
最後の最後は大谷翔平とトラウトの一騎打ち。
日本が誇る二刀流とメジャーを代表する強打者の決闘、巌流島でした。
大谷投手の渾身の高速スライダーにトラウトのバットが空を切りました。
3対2で日本の優勝が決まりました。
劇画ならば何という結末だ!との文字が踊ります。

決勝戦の前に大谷選手がチームメイトに言葉をかけました。
憧れるのを止めて勝つことに集中しようと。
戦う前に胸キュンでは相手に飲まれてしまいます。
対等の存在と見て初めて勝負の舞台に立てます。
大谷選手の助言はまっとうです。

23日の日経新聞にWBCの日本の勝利について長文の解説記事が載りました。
経済新聞にこの手の記事が載ること自体稀に見る出来事だったことを物語ってます。
日経新聞はアメリカとがっぷり四つの試合ができる時代となったとしています。
大谷選手や村上選手が放つた豪快な一発を事例に引いてました。
小技を駆使して勝利する日本の野球の変化を重く見る見方です。

私は日経新聞の見方は一理ありますが賛同はできません。
アメリカの選手と肩を並べるパワーのある選手が増えたのは事実です。
しかしそれでもまだ追いついたとはいえません。
大活躍した吉田選手や近藤選手は小柄です。
選球眼と卓越したバッドさばきが体格を補って余りありました。

日本チームの最大の特徴は多様性に富むところにあると思います。
選手の個性が光っていてそれでいてチームとしてのまとまりがありました。
多彩な投手陣の粒がそろっていて強打者に怯むことなく球を投げ込んでいました。
多様性とまとまりのワンチームでした。

2019年のラグビーワールドカップの日本代表に似てます。
個性豊かな選手たちが持ち味を発揮しひとつにまとまった強さです。
チームスポーツで日本が勝利を収める時の絶対条件のように思います。
ここまでチームをまとめ上げた栗山監督の手腕は賞賛されて当然です。
栗山監督は野球ってすごいとのコメントを残しました。
言葉を発した栗山監督もすごいです。

選手としては実績を残さなかった栗山監督は指導者として大きな功績を残しました。
このような事例は阪急の上田元監督などごく稀です。
名選手でなくても研鑽を積めば名指導者となれることを鮮烈に示しました。
栗山監督は名監督像の新たな可能性を開いたとも言え大谷選手と並びMVPです。。