「生きるLIVING」観賞記
6日海老名市の内野優市長を表敬しました。
帰宅する前に駅近のシネコンで映画を観ました。
「生きるLIVING」です。
原作の黒澤明監督の「生きる」を忠実にリメイクしてました。
あらゆるシーンが原作を想起させました。
「生きる」を持た時の衝撃と感動が蘇ってきました。
原作と同じ1950年代のイギリス。
違いは東京都庁とロンドン市庁という場の設定だけといってよいほどです。
イギリスでもお役所仕事が横行してました。
慇懃無礼。責任を取らない。たらいまわし。後回し。
陳情に訪れたロンドン市民は一日がかりで役所を右往左往します。
転機は課長へのがん宣告からやってきました。
原作では告知はなかったのですがイギリスは当時から患者に知らせていたようです。
国の文化の違いを象徴させるシーンだと思いました。
余命いくばくもないと知ったお役所仕事一辺倒だった課長は変身します。
下水道が漏れ環境が劣悪な場所に小さな公園を創りました。
市民からの立っての要望を受けて課長が不退転の決意で進めたのです。
原作と全く同じパターンで映画は進行しました。
主人公の課長の最期の場面もそっくりでした。
自ら心血を注いだブランコに乗って歌を口ずさみます。
原作の志村喬さんよりきれいな歌声でした。
雪が降ってました。
歌は故郷をいとおしく思うスコットランド民謡でした。
日本の唱歌の「ふるさと」のような曲でした。
心に染み入りました。
主人公の課長を回想するシーンはイギリス風の工夫が凝らされていました。
通勤電車の中で同僚たちが課長の思い出を語るのです。
当時は蒸気機関車でした。
ロンドン郊外の美しい田園風景が窓の外に見えました。
課長の情熱を受け継ぐと見な決意を固めました。
しかし翌日になると熱い心は冷めてお客諸氏ごとの西上に埋没していきます。
黒澤明監督の風刺を踏襲してました。
若い公務員の皆さんは原作の「生きる」を観たことはほとんどいないでしょう。
ぜひイギリス版の「生きるLIVING」観て欲しいです。
1950年代のイギリスのお役所の姿が自分たちの今と比較してどう目に映るか興味深いです。
もし70年前のイギリスと同じだと感じたならば心を入れ替えて欲しいです。
住民の要望を真摯に受け止め身を捨てて奉仕することの意味を考えて欲しいです。
公務員ほど本来はやりがいのある仕事はないはずです。
世のため人のために働けてお給料がもらえるのですから。
こんな素敵な商売はほかには見当たりません。