マルクスより二宮尊徳

選挙応援の合間を見て大学での講義の資料作成をしてます。
18日から本格的に講義が始まります。
それにしても開成町の名前を知っている学生がゼロだったのは残念です。
山神裕新町政の課題として若い世代への発信を是非テーマに取り入れて欲しいです。

現代日本のまちづくりで最も深刻な課題は人口減少・少子高齢化です。
開成町は処方せんを提示できる立場です。
人口は増え続け子供たちの数も堅調だからです。
しかし開成町すらいとも簡単に飲み込んでしまう根本問題があります。
地球環境の極度の悪化です。

地球温暖化は生存自体を危険にさらすのですから当然です。
人口減少・少子高齢化以上に環境問題への取り組みが重要です。
新進気鋭のマルクス研究者の斎藤幸平さんはここに着目しました。
マルクスが晩年に到達した思想は環境への配慮でした。
共同体の働きを重んじ調和した社会を創ろうとしたというのです。

斎藤さんはマルクスのこの思想の到達点を現代まちづくりに応用しようとしています。
スペインのバルセロナ市の徹底した環境重視のまちづくりを評価してます。
240以上の行動計画がまとめられているといいます。
緑化、電力と食の地産地消、公共交通機関の拡充といった項目です。
バルセロナは恐れを知らない都市というネットワークを作りました。
国内外の都市と環境重視の連帯の輪を広げようというものです。

バルセロナの挑戦は素晴らしいものであることはいうまでもありません。
しかしあくまでもヨーロッパでの取り組みです。
日本は日本として地域事情を踏まえ独自の道を歩む必要があります。
マルクスに依拠し過ぎるのも危険性があります。
マルクスもドイツやイギリスの実情を踏まえて思想を固めて行きました。
マルクスのメガネを通して観てそっくりそのまま日本に当てはめるのは無理があります。

日本のまちづくりの先達の第一人者は二宮尊徳だと思います。
窮乏の危機から600もの村落を救済した実践の重みがあります。
マルクスの思想は旧ソビエトで応用され独裁国家を生み瓦解しました。
中国でも一党独裁のもとで国家の圧倒的な支配の中でまちづくりが進められてます。
こうしたやり方が突如として民主的になるとは思えません。

マルクスを評価すべき点は評価するにしても日本は日本人の実践者から学ぶべきです。
マルクスより二宮尊徳と声高に言いたいです。
ちょうど今日は小田原の報徳二宮神社の例祭です。
尊徳先生に学ぶ姿勢を誓ってきます。