地方政治に女子と若者の新しい血を
河原町長選挙で奮戦虚しく敗れた土屋由希子さん。
土屋さんがしばしば口走る言葉があります。
“選挙は楽しい、大好き!”
選挙の当事者になったことのない方は意外に思われるかもしれません。
私は理解できますが注釈が必要です。
選挙には選挙運動と投票結果のふたつがあります。
土屋さんが述べているのは前者です。
投票結果を待つのが好きでたまらない人はいないでしょう。
圧勝確実であっても一抹の不安はよぎるはずです。
土屋さんは選挙中でないと言えない主張があることを言っているのです。
自らの思いを思う存分ぶつけ支持を求める快感を語っているのです。
選挙に出た方ならきっとわかるはずです。
湯河原町長選挙での土屋さんの演説には気迫がみなぎってました。
身体中が熱情であふれ爆発するかのようでした。
有権者へ届けとのほとばしる思いに心が揺さぶられました。
しかし結果は敗北でした。
思いの熱さと結果の冷たさ、その落差に心が痛みます。
心のバランスを取り戻すのに少し時間がかかると思います。
選挙は一定の魔力を持つのです。
燃えるような情熱で政治に飛び出す人はこの魔力にはまります。
選挙期間中の熱狂は自らを奮い立たせます。
結果が伴えば興奮状態が持続することになります。
逆ですとなかなかつらいものがあります。
私も大きな選挙は落選の連続でしたのでよくわかります。
戦った意義を自らに言い聞かせ無理やりでも納得させるほかありません。
候補者のほとばしる熱気に触れることができないのは有権者にとって不幸です。
とりわけ高い志を持った新人候補者は熱いはずです。
無投票ではそうした情熱を感じたくてもその機会が奪われてます。
心ある者たちが選挙へと飛び出すハードルを下げないといけません。
政党の役割は大きいと思います。
今回の小田原市議選で34歳の稲永朝美さんが初当選しました。
立憲民主党の推せんでした。
小田原が出身とはいえ事実上の徒手空拳の選挙だったはずです。
そこをカバーしたのは政党の看板があったのだと思います。
新人候補者を発掘する政党の力を感ずるとともに今後につなげて欲しいです。
日本の政治の変革には若い世代の力、女性の力が不可欠です。
これまで表舞台に立っていなかった方々の力が必要だからです。
熱い思いを持っていても飛び出せずに逡巡している隠れた人財は多いはずです。
政党には政治家の卵を発掘し政治の世界に送り出す使命があります。
中央政党に限りません。地域政党も同じです。