アラフォー世代への期待感

斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書2020年
清水洋『野生化するイノベーション』新潮選書2019年
亀山陽司『ロシアの眼から見た日本』NHK出版新書2023年

大学の講義の関係もあり最近私が熟読した本のリストです。
共通項は著者が30代後半から40代の新進気鋭だということです。

斎藤さんは今最も輝いているマルクス研究者です。
過去の遺物と思われていた共産主義者のマルクスに光を当て直しました。
NHKEテレ100分で名著に出てます。
超難解なヘーゲル『精神現象学』を解説してます。
鋭くて歯切れよい語り口は納得させられます。

清水さんはイノベーション研究の第一人者です。
イノベーション研究の泰斗はアメリカの経済学者のシュンペーター。
その名を冠した国際的な賞を2021年に受賞しています。

最後の亀山さん外務省を経て現在北海道で林業に従事している変わり種です。
最新刊は日本を取り巻く国際情勢を明治以降の歴史を踏まえて解説してます。
ロシアという国の冷徹な国際情勢を見る眼をわかりやすく語ってます。

私はこの世代に期待してます。
バブル経済がはじけて経済が落ち込んだ後就職してます。
40代半ばより下は就職氷河期と言われる特別の厳しい時期を経てます。
バブル時代に青春時代を謳歌した世代とは異なる人生観を持っていると思います。

就職氷河期世代が就職する2000年代開成町長でした。
小さな町役場にも希望者が殺到しました。
いちばん厳しい時は2人採用なのに200人もの応募がありました。
この世代が開成町役場でも中核をなすようになりました。
優秀な職員ばかりですので活躍する場を与えて欲しいと切望します。

視点を地域政治に向けても同様です。
30代後半から40代の政治家たちの中に光るものを感じます。

湯河原町元町議の土屋由希子さん。
奮戦虚しく町長選には敗れましたが潜在能力は抜けてます。
小田原市議で2期連続トップ当選を果たした小谷英次郎さんもです。
自力で世界を放浪し職を転々とした体験は真のたくましさを育んでます。

南足柄市議で2期連続トップ当選の綱島麻実さんもこの世代です。
同じく南足柄市議で前回の4位から2位に躍進した岸本敦子さんもそうです。
開成町議選で断トツのトップ当選の新人清水友紀さんもです。

近未来の神奈川県西部の地域政治を担う人材がこの世代から続々と誕生してます。
頼もしい限りです。
経験を積みさらに大きく羽ばたいて欲しいと願ってます。