ゼレンスキー大統領が主役となった広島サミット後の日本

G7 広島サミットにウクライナのゼレンスキー大統領が登場しました。
戦時のいでたちでひとり飛行機から降り立つ姿は野武士のようでした。
母国の危機を救いたいとの気迫が感じられます。

伴侶同伴でにこやかに到着する他のG7首脳との違いが際立ちました。
ゼレンスキー大統領、ひとりだけ命がけです。
サミットの主役の座を奪った感があります。

ウクライナの反転攻勢が始まると予測されています。
西側からの武器をはじめとする支援が絶対条件です。
その約束を取り付けるため捨て身で乗り込んできました。
G7 は支援の継続を約束し戦闘機の供与も決まりました。
サミットにはインドやブラジルといった中立的な国々も招かれています。
ゼレンスキー大統領はこうした国々の首脳にも支援を呼びかけました。

ゼレンスキー大統領は大きな成果を挙げました。
生半可な覚悟ではなく国家の命運を一身に背負おう政治家だからなせる業です。
しかしロシアが姿勢を変える兆候はありません。
プーチン大統領の力のみを信奉する体質は岩のようです。

軍事力でねじ伏せられるかにかかってます。
東部激戦地バフムトはロシアが掌握したと伝えられます。
ウクライナは否定しています。
死闘はまだ続くことだけは確かです。

日本はどうすれば良いのでしょうか。
軍事力を突出させて強化するのは危険です。
国策を誤った歴史は謙虚に受け止めなければなりません。
安直な軍事力強化は再び国の進路を誤らせます。

「3ない政策」がまたもや頭に浮かびました。
かつての政界の暴れん坊亀井静香さんが唱えている3原則のことです。
アメリカのポチにならない、中国の食い物にならない、ロシアにだまされないの3つです。

ずばり本質を突いた警句です。
これに勝る日本の外交安全保障指針はありません。
総理大臣官邸と外務省と防衛省に標語として掲げたらどうかと思います。

中国、ロシア、北朝鮮の脅威を抑えるにはアメリカの力は不可欠です。
ただしアメリカのお先棒を担ぐ必要はありません。
冷静な分析に基づいた軍事力整備が絶対条件です。

中国は他国の足元を見て経済力で縛ろうとします。
食い物にされないよう経済安保に力点を置くのが妥当です。
台湾有事を過度に意識した対応は間違いのもとです。

軍事力で対応しなければならないとするとロシアです。
あからさまに暴力を振るって恥じない国ですから当然です。

「3ない政策」は日本を取り巻く安全保障環境が落ち着くまで堅持すべき指針です。