不遇の人にやさしく筋を通すのが本物の政治家

優れた政治家かどうかを見極めるのにふたつの視点を持ってます。
ひとつは逆境にある政治家への対応です。
政治記者時代に見た尊敬すべき政治家は共通してます。
立場が苦しくなったからと言って邪険にするような態度には出ません。
むしろ励ます姿を見ました。

尊敬して止まない野中広務さんは逆境の政治家に書状を送っていました。
挫折の原因はどういった点にあるのか歯に衣着せず切り込みました。
その上で必ず乗り越えられると激励したのです。

後に総理になった橋本龍太郎さんがそんなおひとりでした。
橋本さんは鼻っ柱が強く派閥内の仲間から距離を置かれていました。
国民的人気があったのでみな我慢していたのです。
橋本さんが無役の時に野中さんはズバリ改善すべき点を指摘しつつ激励したのです。
橋本さんの心を揺さぶったに違いありません。

官僚出身の政治家はこういった芸当は苦手なことが多いです。
内心では国民を見下す習性が染みついているからだと思います。
私自身落選経験者ですので官僚政治家や官僚の手の平を返す態度を味わいました。

野中さんに教えられたもうひとつの視点は筋を通す政治家かどうかです。
仁義を切ると言い換えていいと思います。
政治を行っている以上敵味方はその都度入り乱れます。
自らの行動に大義はあるかどうか点検することは言うまでもありません。

敵対することになった場合でもその人物に敬意を払うことが大切です。
筋を通し仁義を切ることが求められます。
かつて世話になった相手であるのならばなおさらです。
今度の湯河原町長選挙で野中さんの教えに背いた行動をしてしまいました。
敵対した冨田幸宏町長に対し事前に仁義を切るのを怠りました。

2011年4月の県知事選挙で応援してもらった義理がありました。
自民党支持が厚い湯河原でありながら冨田町長は私の方の支持に回ってくれました。
冨田町長陣営から県知事選挙で応援したのに露木の態度は何だと攻撃を受けました。
政治的判断として対抗場の土屋由希子さんを応援するのは非難される筋合いはありません。
ただしきちんと仁義を切らなかった点で政治家の道を外れました。

今回の統一地方選挙で犯してしまった私の汚点です。
天上で野中さんは筋を通さなあかんと怒っているでしょう。
攻撃材料を与える結果となり土屋さんにも迷惑をかけてしまいました。
時期をいずれ見つけ冨田町長には謝罪したいと思ってます。
謝れば済む話ではありませんがしないよりましです。