続・異端の農業経済学者に食料自給率を聞く


12日の月曜日は終日雨でした。
異端の農業経済学者の神門(ごうど)善久さんがあじさい見学にやってきました。
日本の食料自給率をめぐる議論が中途で続きを話し合いました。


場所はかやぶき屋根の古民家、瀬戸屋敷の囲炉裏です。
とげとげしくなりそうな時もありました。
場の雰囲気が中和してくれて実のある語り合いになりました。

気鋭の開成町議の山下純夫さんの食料自給率への疑問からこの話は始まりました。
カロリーベースは根拠として不正確だとの疑問が寄せられました。
神門さんは食料自給率という指標自体に根源的な疑問を持ってました。
先進国の飽食を放置していて問いの立て方が間違っているとの意見でした。
ここまでは10日のブログで書きました。

山下さんから食料自給率を取り上げているのは日本と韓国だけとの指摘がありました。
世界共通の指標だということでした。
食糧輸出国は問題にしていないので議論の俎上に上がらないだけということでした。
自動車の日本の国内生産台数の割合がさほど問題にならないのと同じだと解説してました。

地球温暖化で日本は食料危機に陥らないのかと聞きました。
食糧の需給のバランスを考え直す好機だと捉えていました。
危機だと騒ぐより飽食状態を見直す契機にする必要があるとのことでした。
食糧危機に対する見方が根本的に違っています。

神門さんは地産地消についても疑念を持ってました。
地域で生産する必要はなく国内流通を前提にする必要があるとの考えでした。
酒米も良質のものがあれば全国から求めたらどうかと話してました。

その地でしか取れなかったもので消滅してしまったの農作物の復活には熱心でした。
里山で採れていた林産品に興味を示してました。
無理して地域でレタスを生産する必要はないと付け加えてました。

神門さんの話は今を時めく若き経済学者の斎藤幸平さんの議論と重なると思いました。
斎藤さんは欲望の資本主義をそのままにして緑の産業革命はできないという考えです。
飽くなき利潤を追求していながらグリーン産業で地球を救うのは無理だと断じてます。
斎藤さんの解決策は生活水準を落とすことです。

神門さんも飽食状態を見直すと言っているのでその方向です。
生活水準を落とした方が人類は幸せになれると見ているようでした。
しかし極端に生活レベルを落とすのは困難です。
最先端技術でグリーン産業革命を起こしつつ無駄のない生活を目指す。
二兎を追うのが常道だと私は思います。