地域経済に影響を持つのは首長の姿勢

日経新聞に「経済教室」というページがあります。
「地方経済をどうするか」というテーマで3人の研究者が論じてました。
先月28日九州大学教授の浦川邦夫さんが地方議会との関連を書いてました。
議会と地方経済が連動するとは思えないので読んでみました。

浦川さんは実際の人口分布と政治家の年齢に着目してました。
実際より政治家の高齢化が進むと長期的な展望に立った政策が打ち出しにくいとしてます。
この場合の政治家とは地方議員を対象としています。
子育て支援のような政策課題なら若い方が熱心に取り組むでしょう。
地域経済一般となるとそうとは限りません。
政治家の年齢が高いと地域経済に悪影響を与える実証的根拠が欲しいところです。
若い政治家が多ければ地域経済が元気になると主張されても納得できません。

ただ2019年の統一地方選挙における自治体の規模別データは参考になりました。
70歳以上の議員の割合は東京特別区では5.1%。政令指定都市で8.5%。
県議で11.7%、市議で12.8%。町村議は25.2%に跳ね上がります。
数字を見てこれほど格差があるのかと驚きました。

近隣市町の今年の統一地方選挙の結果を調べてみました。
人口増が続く定数12の開成町は70歳以上の議員はひとりです。
少子・高齢化が進み中山間地を抱える山北町は定数12人中ひとりです。
南足柄市は定数16人中4人です。中井町は定数12人中5人。
地域の中心都市の小田原市は27人中3人でした。

結論から言うと地域経済の現状と地方議員の年齢は相関関係を見い出すのは困難です。
地域経済を盛んにするには若い地方議員を増やせば良いは解答になりません。
一般論として若い人の方が活性化に興味を持つかもしれないという可能性に過ぎません。
日本を代表する経済紙の分析記事としてはお粗末です。

では地域経済の活性化と地域の政治はどのような関りを持つでしょうか。
決定打は当該地域の首長がどのような発想を持つかにあります。
議員と異なり首長はひとりですのでその地域政治に多大な影響を及ぼすことは当然です。
年齢の若い方がより地域経済振興に積極的である可能性はあります。
党派による志向性や性別による差もある可能性あります。

地域経済の衰退が顕著と言っても地域事情はかなり異なります。
地域事情を正確に把握し地域に適合した活性化策を打てるリーダーを選べるかどうかです。
どのような首長を選ぶかが決定的に重要なのです。