沖縄県の玉城知事訪中に異議あり

沖縄県の玉城デニ―知事が訪中しました。
河野洋平元衆院議長を団長とする代表団のひとりとしてです。
李強首相に対し沖縄との経済交流の強化を要請したと伝えられます。

玉城知事の訪中前に習近平国家主席が沖縄とのつながりに触れました。
福建省知事時代に琉球関連の遺跡の存在を知ったと語ったということです。
玉城知事の訪中を意識し言及したのは間違いないところです。

沖縄は明治時代に鹿児島県に編入される前は琉球王国でした。
450年続いた王国は日本と中国というふたつの国のはざまを生き抜いてきました。
習近平主席は沖縄の特別な歴史を強調し日本を揺さぶったのでしょう。

日中関係は米中間の対立激化で正常とは言えません。
焦点は中国本土と台湾の両岸関係です。
ひとつの中国が核心的利益とする中国は台湾問題への介入に神経をとがらせます。
台湾との政治関係を持つことを激しく攻撃します。

日本は1972年の日中国交正常化で台湾と断交しひとつの中国の立場に立ちました。
ただし大前提があります。
両岸関係は平和裏に解決されることです。
武力による一方的現状変更を是認している訳ではありません。

アメリカに次ぐ経済大国となった中国の覇権主義的姿勢は顕著です。
南シナ海での岩礁の埋め立てと軍事基地化はその典型です。
尖閣列島周辺海域へ進出も盛んです。

親中派の代表格の河野訪中団への玉城知事の参加気になります。
付け入るスキがあるとのメッセージを中国に送った恐れもあります。
強大な赤い資本主義国中国との緊張激化は好ましくありません。
しかし中国との経済関係の強化は足元をすくわれる危険と裏腹です。
国益と合致しないと見るや逆手に取るのは中国の常とう手段です。

米中対立の中で民主主義陣営という立場は外せません。
欧米、韓国に加え台湾との関係強化は必然の流れと捉えています。
沖縄だけ中国に媚びを売るわけには行きません。

日本の立場を確立しその姿勢を反映できる政治体制を構築すべしが私の持論です。
外交と防衛は国直轄を鮮明にする必要があります。
一方で地域経済の振興を担える強力な地方政府が必要です。
沖縄の国の出先機関と沖縄県を合体して沖縄州とすべきです。

この体制なら国の外交防衛方針を踏まえつつ強力な地域経済振興策が打てます。
ただし国の方針を理解する知事がいて初めて体制は機能します。
玉城知事では困難であることは今回の訪中を見ればわかります。
知事の交代が先行しなければなりません。