護憲で防衛力強化の論議を期待

ロシアの軍事情勢に精通している小泉悠さんの発言を聞き背筋に冷たいものが走りました。
NHKスペシャル「ワグネル反乱変ぼうするロシア軍」の中での分析です。
ロシアが勝利ではなく負けない戦いに戦略を変更した可能性に言及してました。
汚い戦い方が行われます。ダム破壊、原発への仕掛けなどです。

背景にはロシアの思惑が潜んでます。
戦争長期化で停戦条件を有利にしようとたくらんでいるのです。
欧米のウクライナ支援の息が切れるのを待っているのだと思います。

ロシアに性善説は一切通用しません。
プーチン大統領は、ワグネル反乱で足元の脆弱さを見せてしまいました。
権力維持に徹底してこだわるでしょう。
嫌らしくえげつない防御戦が続きウクライナを苦しめることになります。

ロシアが示した戦争の現実と180度異なる世界があります。
日本国憲法の前文が映し出す世界です。

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭w痴女から永遠に助教しようと勤めている国際社会において名誉ある地位をしめたいと思う。」

美文で書かれた崇高な精神です。絵本のおとぎ話のような世界です。
ロシアが見せつけた現実世界との違いに言葉を失います。

憲法論議の本質はこの絵本の世界を維持する意義を問うことです。
現実とかけ離れたものは捨て去れと言うのがひとつの考え方です。
理想を忘れるなと警告していて意味があるという論がもうひとつです。
いずれかの道を選ばなければなりません。

私は後者です。
幼児向けの絵本は大人たちに本当に大切なものは何かを語りかけてます。
憲法の前文も一緒です。
国際正義への信頼、理想の追求。
子供だましのおとぎ話だと背を向けがちな姿勢の持つ意義を語りかけています。
理想を捨てることは防波堤の崩壊と一緒で軍拡競争に巻き込まれ歯止めが効かなくなります。

理想を堅持し現実的な対応することに英知を集めるべきだと思います。
ロシアの暴虐の実態を目のあたりにした以上防衛増強は常識です。
憲法改正とは直接無関係です。

改憲か護憲の古めかしい議論を越える必要があります。
憲法を守ることで一致を見れれば可能です。
その上でいかに防衛力を強化する方策を探るかがが正しい問いです。
実のある議論ができます。

防衛について国民の合意形成は急ぐ必要があります。
そうしないというの日か暴虐国家の餌食になってしまいます。