アメリカの虎の尾を踏んだ安倍総理

おととい安倍総理は靖国神社参拝をしました。国のために殉じた英霊を参拝して何が悪いという単純な問題ではありません。

歴史認識の問題が深く関わります。1978年に靖国神社が極東軍事裁判で平和の罪を犯したとされた東条英機元総理ら14人を合祀したからです。

先の大戦は、侵略戦争だったのか否かという根本問題を孕むことになりました。総理大臣が参拝するということになれば戦争を正当化するのかと反発が出ます。

直接の侵略を受けた中国や日本の植民地だった韓国でとりわけ反発が強いです。今回の安倍総理の靖国参拝では日本の同盟国アメリカが一枚加わりました。

靖国問題が極東アジアの問題からアジア太平洋の問題へと一気に拡大しました。最強の同盟国の反発は安倍総理の土台を揺るがしかねません。

アメリカにとって1952年のサンフランシスコ体制は基本です。日本は戦争に敗れた敗戦国でアメリカを盟主とする体制の枠内に入りました。

そもそも先の大戦を正当化することはこの枠組みへの挑戦と取られかねません。更に、アメリカにとって無視できないお家の事情が付け加わりました。

アメリカが弱くなりました。中国が台頭しました。こうした状況の中でアメリカを主導者としてきた体制が揺さぶられるのは好ましくありません。

なのに安倍総理は靖国参拝を断行しました。沖縄問題でアメリカの意向を受けて普天間移設を進めているから大丈夫だと判断したのだとしたら愚かです。

体制の根本問題と沖縄の地域問題とは次元が異なります。安倍総理はアメリカの信頼を決定的に失ったと見る必要があると思います。

安倍総理は必死になってアメリカに従順な姿勢を見せるしかないと判断するのではないでしょうか。TPPが格好のテーマとなります。

沖縄では、普天間基地の辺野古移設への反発が一層強まることは確実です。ここでもアメリカの約束を果たせないとすると安倍政権は危機に陥ります。