2023年終戦の日の誓い

東京メトロ、青山一丁目の駅構内通路を歩くと巨大なステンドグラスにぎょっとします。
縦3メートル、横5.4メートル。タイトルは「みんな友達」。
思わず後ずさりして全体を見渡そうとします。
私もそんなひとりでした。
作者は日本の洋画界の巨匠で文化勲章受章者の野見山暁二さんです。

野見山さんは今年6月102歳で亡くなられました。
死の直前まで創作意欲は衰えず生涯現役の人生をまっとうされたおひとりです。

青山一丁目の作品の作者が偉大な方であることを知ったのはおとといのことです。
13日NHKEテレで野見山さんの追悼番組を放送していたのです。
「100年のアトリエ」という2020年放送の番組の再放送でした。
ステンドグラスの制作シーンが映っていたのです。

制作場所は「クレアーレ熱海ゆがわら工房」でした。
熱海市と湯河原町との境にある泉地区の工房に野見山さんが出向き制作したのです。
熱海、湯河原には洗練された創造の場があるものです。
地域の文化水準の高さに驚きました。

もうひとつ知った事実があります。
野見山さんは長野県上田市の無言館の開設に尽力した方でした。
無言館は戦没画学生らの作品を集めた美術館です。
野見山さんも中国に出征しました。病気のため帰国し生き残りました。
この経験から負い目を抱え戦後を生きることになりました。
そうした心の葛藤が無言館へと結集したのだと推測します。

上田市出身の知人に一度案内してもらいました。
市街地から離れた山の中に無言館はあります。
作品からは美大生たちが夢を捨て祖国のために命をなげうった事実が迫ってきます。
作品に添えられている作者の紹介が心に刺さります。

番組では野見山さんが故郷の福岡の中学で出前授業をしている様子が流れました。
生徒たちに人物画を描かせて講評してました。
ご自分の画風と似た生徒の画を紹介しました。
勉強のできない生徒が描く絵だと解説し笑いを取ってました。
授業終了後100歳のお祝いの花束とハピーバースデーの歌がプレゼントされました。
心ときめくシーンでした。
私も目指そうと心に決めました。

私が100歳になるのは2055年です。
私が町長最後の年の2010年に新設の開成南小学校が開校しました。
100歳の時45周年でタイミングも良いです。
よ~し、この年に出前授業を行うことを目標にします。
まず学校から呼んでいただけるように立派な人生を歩むことが先決です。
2023年終戦の日の誓いとします。