池袋そごう西武、まちづくり論議を興し雇用を守る

1975年のスト権スト覚えてます。大学に入学した年でした。
旧国鉄の労組がなんと8日間のストライキを決行しました。
公共性の高い労働者にもストライキ権を与えろと言う闘争です。

旧国鉄は中曽根内閣の民営化路線で1987年に現在のJRとなりました。
民営化を推し進めた背景には労組の弱体化があったことは確実です。
ストに対する国民の反発もあって世論は民営化路線を歓迎しました。

東京池袋の名門デパートそごう西武のストライキには驚きました。
31日一日ですがされど一日です。
親会社のセブン&アイがアメリカの投資会社に経営権の売却を発表したことが発端です。
投資会社はヨドバシカメラと組み巨大な家電売り場が来年誕生予定です。

従業員に雇用不安が高まりました。
経営権を譲る旧経営陣に当事者能力はないとして組合の疑問に背を向けました。
対立が深まりストに突入となりました。

組合が異議申し立てするのは当然だと思います。
圧倒的多数の組合員がスト権の確立に賛成したことか不信の根強さが伺えます。
新経営陣との間でどのような交渉となるかは不透明です。
組合の闘いは続きます。

組合の主張を聞いていて残念な側面があります。
従業員の視点からの議論に終始している感があります。
まちづくりを語るべきだというのが私の意見です。

そごう西武店は池袋のまちの顔です。
この場が近隣の大手家電量販店との競争の場となることに違和感があります。
豊島区長が疑問を呈したのも同じ発想からだと思います。

組合が地域のまちづくりについて意見交換の場を設けていたらと思えてなりません。
西武そごうがまちづくりに果たすべき今後の役割を語る場とするのです。
入居している高級ブランド店がヨドバシの出店に疑問を呈していると報じられました。
こうした有力出店者も仲間に引き込んでいたら状況が違っていたと思います。
ストライキ以上の影響力を持ったのではないでしょうか。

組合員の雇用を守るのが組合の第一義的使命であることは理解します。
組合対経営という内輪の論理だけでは世論は喚起できません。
経営が変わったとしてもまだ間に合います。
組合の外に視野を広げまちづくりの観点から議論を興す手段を考えるべきです。