二宮尊徳さんは、スーパー現実主義者

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事務室、応接間、お風呂場。時間がある時に、二宮尊徳研究の第一人者、佐々井典比古さんが訳した『二宮尊徳の教え』を開いて目を通してます。

今年の目標の一つに二宮尊徳さんの考え方を活かして農業の再生を主なテーマに新たなグループを立ち上げることにしているからです。

二宮尊徳さんというと道徳の先生みたいな印象がありますが、このイメージを抜け出て村の再生のスーパーマンだったところに光を当てたいです。

佐々井さんの本を読んでいても随所に二宮尊徳さんが考えていたことは目に見える現実をどう変えていくかに熱心だったことが伺われます。

そのものズバリ「極楽浄土は現世である」という一言が『二宮尊徳語録』の中にあります。仏教が極楽浄土を希うことを否定的に書いています。

その言い方が強烈です。極楽浄土について金銀珠玉が数多あると言うがそんなになるのならば砂と同じで価値がないと同じじゃないかと喝破しています。

夢物語にうつつを抜かしているより現世に宝物はたくさんあるから現実の社会で働くことに精を出せば極楽浄土を創れるということです。

仏教哲学の神髄とも言える「色即是空、空即是色」について「ただその言い方が面白いだけだ。」と述べたと『二宮尊徳翁夜話』は書いています。

目に見えるものを色といい、見えないものを空といったに過ぎないと単刀直入に割り切っています。ここが現実を変える力強さを生むのかと思いました。

禅問答みたいな話は、空理空論を弄ぶに等しいと達観していたと推測します。そんなことより目に見える社会を変革せよと思っていたに違いありません。

ここまで現実主義者になり切るのは難しいです。しかし学ぶところあります。夢の世界に浸っていては変化は起こらないというリアルさを持つことです。

二宮尊徳の教えを活かすということは現実を変えるということです。理論だけでは意味をなしません。やって、変えてなんぼの精神は、とても大切です。