スロー イズ パワフル

話をするとなると頭が白くなってしまう方がいます。
なぜか話せなくなることが話題に上りました。
ゆっくり話すことが大切と助言しました。

私は政治家になった当初これがまったくできませんでした。
記者時代のくせで早口で立て板に水のように話すのが良いと思い込んでました。
流ちょうならば伝わるかというとそうではないことがわかりました。
印象に残らないと意味はありません。

試行錯誤の後発見したのがゆっくり話すことでした。
ゆっくり話すと余裕ができます。
センテンスを短く切ることができます。
話が端的になり説得力につながります。
ぜひ一度試してみて下さい。

どんなに難しいテーマであっても小学校高学年の児童が理解できるように心がけました。
相手が小学生だから話すのが簡単と思うのは大間違いです。
十分な知識が無くてもわかってもらえるのには技量が要ります。
たとえ話をしたり逆に問い返したりです。
9歳、7歳、4歳の孫がいます。
わかりやすく話をする格好の訓練相手です。

演説や講演の最中に間をとるのには聞き手に問い返すのがいちばんです。
ご存知ですかとか聞くだけでも結構です。
反応が無くてもちょっとした間をとることはできます。
この“間”が大切です。
文章の段落と一緒で区切りが入り聞き手の理解は進みます。

慣れないと難しいですが笑いをとるのも効果的です。
肩の力が抜けると話は入りやすくなります。
ご自身の体験談の中で面白かった話を途中に入れ試してみたらどうでしょう。

避けたいのが絶叫です。
私も政治家になった頃は熱く語るとは絶叫だと誤解してました。
振り返ってみると自己満足だったと顔が赤くなることがありました。
「悲憤慷慨(ひふんこうがい)」という難しい熟語があります。
勝手に興奮してまくし立てる様子です。
これは伝わりません。

雄弁術とは聞き手に伝わるかどうかの技です。
話下手の雄弁家はあり得るのです。。
ゆっくり話すことから始めて真の雄弁家を目指しましょう。