大和魂で地方議員を観察してみると…

大和魂を言い表している言葉として有名なのは吉田松陰の和歌です。
かくすればかくなると知りながら やむにやまれぬ大和魂

「真鋭」というなじみのない言葉があります。
平安時代に書かれたとされる日本の最古の兵書「闘戦経」の中にあります。
真っ向から挑む純粋な精神のことです。
中国の兵書思想が知略や策略だとすると真逆です。

松陰の大和魂の根っこに「真鋭」を感じます。
純粋に立ち向かおうとする覇気があるからです。

9月の開成町議会でちょっとした異変が起きました。
町営住宅の解体工事をめぐって町と議会の意見が対立しました。
山神新町長が前町長の解体方針を撤回して先送りました。
他の道路工事などを優先しようとしました。

議会への根回しが不十分だったようで議会から修正案が出されました。
6400万円の解体費を予備費から充当し解体工事を進める案が可決されました。
山神町長は独自色を早く出そうとしたと反省の弁を述べてます。
後ろ向きの話しではありませんので良薬にして欲しいです。

修正案は9対2でした。
ふたりの議員が山神町長の立場を擁護しました。
いずれも新人の山下純夫さんと今西景子さんでした。
山下さんの心情が伝わってきました。
町長のさばきに問題があったのを承知の上で守る側に回ったのです。

山神町政の実現に汗をかいたひとりとしての自負が現われてます。
大和魂に重なる精神を感じます。
採決の多数派に乗っかったほうが楽です。
あえてそうせずに自らの姿勢を示したのです。
やせ我慢かもしれませんがこうした浪花節的な振る舞い大好きです。

今西さんも大勢に流されることなく自分の純粋な考えを示しました。
議員は独立した存在です。
自分の意見をきちんと示す勇気の持ち主だと思いました。

ネットで様々な情報を瞬時に収拾できます。
カッコつけた表面的な質問は誰でもできます。
本当に問われるのは質問の深みと各議員の覚悟です。

立派な見解を表明していても採決となると大勢に従いころりと主張を翻す議員がいます。
私が言うところの若年寄症候群です。
こういった議員ばかりになってしまうと寒々しい議会になります。
自分の考えを貫いて地方議会を面白くさせて欲しいです。