アッパレ!県立足柄高校歴史研究部


30日足柄の歴史再発見クラブ主催のシンポジウムがありました。
関東大震災から100年を記念したものです。
会場は山北町生涯学習センター視聴覚室、関係者を入れ80人が参加しました。

湯川山北町長と山神開成町長があいさつしました。
湯川町長は記録を残すことの重要性を述べていました。
山北町の前身の旧川村の関東大震災の記録は秀逸です。
当時の住民の意識の高さを余すところなく示しています。

山神町長は大学と連携し防災まちづくりに挑戦していると語ってました。
町長自ら職員と大学に出向き実践しているとのことです。
山神町長の行動力に期待します。


発表者は4団体。
最初に県立足柄高校の歴史研究部の発表でした。
部活の顧問の先生が補足しました。
南足柄市と箱根町の震災の記録を丹念に追ってました。
地域のつながりの強さが復興に大きな影響を与えることを実証的に示しました。
南足柄へ瞬く間に朝鮮人襲来説が伝播してきたこともわかりました。
見事な発表でした。
アッパレを上げたいです。

県立温泉地学研究所の研究員は地震学の立場からの解説でした。
建物の倒壊率の話しが出ました。
会場から開成町の倒壊率がなぜ際立って低いのか質問がありました。
科学的には立証できていないということでした。

東大地震研の地理学の研究員の発表もありました。
震災の記録を伝える遺跡についてでした。
遺跡を建てることが目的化していないか疑問が浮かびました。
歴史的事実を伝えることに注力する必要があります。
工夫の余地は大いにあります。

クラブの発表者は元筑波大教授の西本晴男さんです。
帝室林野局というなじみのない役所の砂防工事に着目しました。
戦前の宮内省の機関です。
ご料林の管理を担い関東大震災後に西丹沢各地で砂防工事を行いました。

戦後の混乱期をはさんでいて林野庁に適切な引き継ぎがなされてません。
西本さんはこの問題に光を当て丹念に調査を行いました。
貴重な研究成果です。


盛りだくさんの内容でした。
締めくくりは会員のソプラノ歌手の橋本京子さんによる「ふるさと」の披露でした。
歌声とに乗せてクラブの楽しい雰囲気が伝わったと思います。
今年度中にシンポジウムの報告書をまとめるのが次の大仕事です。