大型書店はデパートと同じ運命を辿ってしまうのか?

読書の秋という言葉が死語になりつつあるような感覚を持ってます。
秋の夜長にくつろぎながら本を読むのが読書の秋のイメージです。
ネット社会の浸透で読書形態が変化してます。
スマホやタブレットで本を読むのと読書の秋がどうもつながりません。

電子書籍の拡大は大型書店の退潮を引き起こしてます。
大型書店をこよなく愛する私には由々しき問題です。

日経新聞の書評欄に興味を引く本が紹介されてました。
『スターリンの図書室』という題名でした。
あの悪名たかき独裁者のスターリンが本の虫だったとは!。
驚き以外の何物でもありませんでした。

書評にはマキアヴェリの『君主論』を熟読三昧していたことが書かれてました。
『君主論』はイタリア・ルネサンス期の著書で政治学の古典中の古典です。
人は恐いものに従うという背筋が凍る権力感を提示しました。
スターリンは実践し恐怖政治を引きました。

実際に手に取って見たくてすぐさま大型書店に出かけました。
新宿の紀伊国屋、東京駅の丸善、横浜関内の有隣堂本店。
なかったです。8月末のことです。
ひと月ほどたつと店頭に並んでましたが旬が過ぎた感じでした。

かつて大型書店は何でも揃う図書館のような存在でした。
その姿は変ぼうしてます。
売れ筋の本ばかり並び特色が感じられません。
目当ての本を店内に設置してある検索端末で探すことがあります。
書店が店頭とは別に設けているWEB書店に在庫があると表示されることがあります。
これでは何のために書店に足を運んだのかわかりません。

本好きは背表紙を見て面白そうだと閃きます。
本の手触りを楽しみ目次を繰って購入するかどうか決めます。
その快感が味わえないのでは来店の意味がありません。
大型書店から足が遠のく理由です。

簡便な操作でアマゾンで本が購入できます。
購入する本が決まっているならこちらの方を選択します。
ネット通販では味わえない手触り感が欲しくて大型書店に出向きます。
本の虫の習性を大切にして欲しいです。

豊富な品ぞろえとゆったりした空間が必須です。
コンシェルジェがいて購入のアドバイスがあれば更に良いです。
現状では大型書店はデパートと同じ運命を辿っている見えます。
経営刷新を望みます。