排外主義は日本の首を絞めるだけ

NHKBSPで7日キャンディーズの名盤『年下の男』を徹底解剖してました。
アルバムの中の一曲「春一番」の解説が絶品でした。

アメリカのギタリストによる分析です。
曲を聞いたことのある人は冒頭のギターソロを覚えているはずです。
甲高い感じのメロディーが印象的です。
日本の伝統的な旋律だというのです。
番組の取材者が驚き聞き返しました。

戦後大ヒットした「リンゴ追分」と同じ味付けだと言って自らギターをつま弾きました。
確かにと納得しました。
日本の歌謡曲やJポップには西欧の旋律に和の味付けが巧みに入れ込んであります。
そこが外国人にとって新鮮だと話してました。

「春一番」の冒頭のギターソロは曲作りに参加したギタリストが即興で作りました。
ギタリストが番組で和の味付けを認めていました。
初めてギターを弾いた曲が演歌歌手の三橋美智也さんだと明かしていました。

日本の強みというか特色を感じざるを得ませんでした。
外の文化を積極的に取り入れるのが日本人は大好きです。
知らず知らずのうちに和の要素が取り込まれています。
その手法は巧みで芸が細かいのです。
日本のオリジナルであるかのレベルまで洗練されます。
外国人が聞くと微妙な違いに気づき興味を引くのです。

日本のポップスが世界から注目を集めている大きな理由だと思います。
ジャパンクールと言われるゆえんだと思います。

古代からの日本人の特技でした。
なんでも排除せず受け入れて自家薬籠中の物とします。
日本人が自国の文化だと思っている者の大半に外国の要素が入ってます。
漢字が代表選手です。
中国の文字を受け入れてひらがなを編み出し更にはカタカナまで登場させました。
翻訳だけで諸外国の文化が学べます。
日本語は大した発明品です。

日本には文化の創造がないというのは誤解です。
アレンジする能力が秀でていて絶妙で文化を創造してます。
誇るべき日本の特質です。

問題はこれを可能にする根本は何かです。
排除しない姿勢があります。
多様性を容認してきたのが日本です。
この文化的伝統を忘れて外国を遮断するのは日本の伝統に反します。
いわゆる排外主義は日本の首を絞めることです。
よくよく注意しなければならない重要な観点です。