ラグビー日本代表の敗戦、持ち上げ過ぎたメディアの責任

ラグビー日本代表の敗戦をめぐり様々な分析が出ています。
ヤマハやサントリーで指揮を執った清宮克幸さんの視点が興味深いです。
朝日新聞の11日の記事です。
三つの「たられば」があればアルゼンチンに勝てたかもしれないというのです。

ひとつ目はキックオフのボールへの対応です。
アルゼンチンは日本陣地の真ん中に高いボールをけってきました。
背の低い日本の弱点を突いてきたのです。
背の高い選手にボール処理をさせるようにシフトしていたら展開が違ったと述べてました。

グランドの中央付近でのラインアウトからの防御についてもです。
背の高い選手をラインアウトの後部に並ばせ圧をかけた方が良かったというのです。
アルゼンチンは前の方でボールをとるしかなく防御しやすかったのは確かです。

最後のひとつは判断ミスです。
後半30分日本が攻め込みスクラムから良いボールが出ました。
日本はタッチラインに近い方へボールをパスしてしまい上手く行きませんでした。
攻撃の方向が間違っていたということです。
素人の私でも疑問に思った瞬間でした。
清宮さんが日本代表の監督だったならば違った展開になったかなとも思う解説でした。

多くは選手層の薄さと国際体験の乏しさを敗因に挙げています。
確かに後半の後半に突き放されたり追い込まれるのは交代する選手層が薄いからです。
個の力が乏しいのは国際試合でもまれた経験の差であることも理解できます。

2015年と19年のワールドカップを経て日本代表の実力が高まったのは間違いありません。
期待を集めた今回のワールドカップでしたがそもそも国内の前評判が高すぎました。
強豪国に勝つには相当に高い壁が立ちはだかってます。
大会前に厳しい指摘をしていたのはごく一部でした。
お祭り前に不安を煽るのを避けたのだと思いますがメディア上での議論が不足してました。
持ち上げるだけでなく冷静な議論をするのもメディアの役割です。

厳しい反省が不可欠です。
力の差を見せつけられたのですから腰を据え長期目標を定めることが大切です。
その上で一歩ずつ行くしかないように思います。
二宮金次郎の積小為大戦術です。
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