謙虚な将棋界の王者が問いかけるもの


藤井聡太8冠には圧倒されます。
21歳で将棋界のタイトル総なめです。
天賦の才だけでなく努力も超一級です。
人柄はあくまで謙虚。

将棋が好きで好きでたまらないのでしょう。
将棋小僧が輝いています。
AIを使って探求に探求を重ねても苦にならないのだと想像します。
好きこそものの上手なれと言う言葉の究極の姿を示しています。

幼少の頃から詰将棋に没頭し終盤で相手棋士を追い込む力を身につけました。
すでにカリスマ性をまとってます。
対戦相手は有利であっても不気味さから逃れられません。
最後の最後に怒涛の反撃があるかもしれないという恐怖です。

恐怖心を抱くかどうかここがAIと人間との決定的差です。
AIは過去のデータ分析に基づいて最良の一手を選択します。
感情が入る余地はありません。

人間は感情によって思わぬ一手を繰り出してしまいます。
王座戦4戦はタイトルホルダーの永瀬拓矢さんが圧倒的優勢でした。
終盤の一手で大逆転となりました。
永瀬さんを転落のふちに追い込んだのは目に見えぬ藤井さんの圧があったはずです。

決定的なミスをした後の永瀬さんの頭をかきむしる仕草がそれを象徴してます。
魔が差してしまったことにすぐに気づいたのです。
藤井さんは絶対に見逃しません。
得意の詰将棋のように追い詰めます。
永瀬さんは心理的にもがけっぷちに立たされてしまいました。

謙虚な若きカリスマとなった将棋小僧はどこまで成長するのでしょうか。
藤井さんを取り巻く棋士たち次第です。
尻尾をまいて逃げることはないでしょう。
若造に負けてたまるかということで切磋琢磨が始まるはずです。
永瀬さんは恐怖心が招いた決定的ミスで敗れたことを胸に刻んでいるはずです。
気力を充実させてリベンジに挑むはずです。
将棋界全体がレベルアップしそうで楽しみです。

藤井8冠は一般人に何を伝えようとしているのでしょうか。
限界は突破できるということだと思います。
際立って高度な目標である必要はありません。
自分で勝手にできないと決めつけているような目標を見直せと諭していると思います。
たいていのことは乗り越えられますと。
努力して下さい。そして楽しんで下さいと言っているような気がします。
頑張りましょう。