集中!、凡人が天才に近づくただひとつの道

弱冠21歳で8冠を制した藤井聡太さんは人間ではないようです。
王座戦に敗れた永瀬拓矢さんの感想です。
16日の日経新聞の文化欄でインタビューに答えていました。
藤井さんは「人間を辞めている」と。

永瀬さんは大チャンスばかりで逆に欲が出たと振り返ってました。
人間には欲望がつきものですので当たり前です。

藤井さんは違うのです。
超人的な集中力で相手の一手一手を鋭く観察します。
隙を見つければ攻めてくるのです。

藤井さんの桁違いの強さをどう表現すればよいか永瀬さんは迷ったのでしょう。
ひねり出したのが「人間を辞めている」との表現でした。
意味するところは損得で判断しないという意味です。

勝負の世界に生きている以上行動を損得で考えるのが一般的です。
藤井さんは対局以外の仕事も依頼されたらすべてこなすというのです。
この立ち振る舞いに藤井さんの常人でない特性を感じるというのです。

藤井さんは自然体なのです。
歯を食いしばるタイプではないように思いました。
集中力を武器にAIを越えるひらめきを導き出すタイプなのだと思います。
永瀬さんのような秀才も天才にはかなわないとも受け止めることができます。

天才的なひらめきを導き出す素質が気になります。
永瀬さんの説によれば損得を越える能力ということになります。
平たく言えば計算しない能力ということです。
もっとはっきり言えば考えないということです。

自ずとひらめきが湧いてくるとしか表現のしようがありません。
永瀬さんには欲がありました。
藤井さんは損得を考えないのですから欲を越えています。
その境地になれば勝利の女神は微笑むことになります。

仏教の世界観と相通じます。
苦の原因は欲にありと仏陀は喝破しました。
欲の世界を越えられれば悟りは開かれ自由自在の世界に到達できます。
藤井さんは早くもこの境地に達し勝利を自ずと引き寄せることができているのでしょう。

凡人はまとわりついた欲を振り払うことは至難の業です。
藤井さんから学べるとしたら集中ということです。
目の前の出来事に全力で取り組めば一瞬であっても欲を消すことができます。
正しい判断が可能となります。
凡人でも可能な天才に近づくただひとつの道に思えます。

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