超人実践家の二宮尊徳と日本のこころ
二宮尊徳は道徳家ではなくスーパー実践家。
おとといのブログで紹介した世界のために日本のこころセンターの勉強会で講話しました。
参加者は薪を背負った金次郎のイメージに染まってましたので驚いてました。
尊徳を身近な存在だと感じられたとの感想が圧倒的でした。
私の狙いはほぼ成功しました。
尊徳が実践家であることを単刀直入に喝破された人物がいます。
元国土庁事務次官の伝説的な官僚下河辺敦さんです。
下河辺さんは田中角栄元総理の懐刀と言われ2016年に亡くなりました。
田中総理の『日本列島改造論』の執筆者のひとりと目されてます。
日本の首長で二宮尊徳のまちづくりの第一人者は元掛川市長の故・榛村純一さん。
榛村さんは下河辺さんと対談してます。
1997年2月の報徳サミットのことです。
下河辺さんはサミットに参加した関係自治体がまとめた宣言に苦言を呈しました。
尊徳がえらいのは実践したところにあると断言しました。
単に宣言したところで意味はないと言わんばかりです。
さすがの榛村さんもギャフンでした。
このエピソードを中心に据え講話を進めました。
尊徳の実践家としてのイメージを理解してもらうのに最適だと思ったからです。
参加者は目からうろこの様子でした。
もうひとつ伝えたかったのは二宮尊徳と日本のこころです。
尊徳の活動のどこに日本のこころを感じとるかと言い換えられます。
私は捨て身で地域のために尽くす姿勢だと思うと述べました。
尊徳は1823年藩主の命により現在の栃木県真岡市の荒廃した農村再生のため着任しました。
全財産を処分して赴任地に向かった尊徳の身を捨てる心意気に日本のこころを感じます。
現在の政治家にこれほどの強い決心を見ることはできません。
危機に瀕しているという点では尊徳の時代と現在と相通じます。
危機を突破したいのならば尊徳級の覚悟を示すことが必要です。
目先の選挙にびくつき有権者に媚びを売るだけの政治とは決別して欲しいです。