指定管理者制度20年

指定管理者制度が導入され20年。
日経新聞が文化欄で3回にわたり特集を組んでいて知りました。

指定管理者制度と言っても行政関係者でないとピンとこないでしょう。
公共施設の管理運営に民間企業が関わる制度です。
効率的な運営とサービスの向上の両面を狙いました。

主眼は効率化にあったのは間違いありません。
小泉純一郎内閣の行革の嵐が吹き荒れていました。
財源を削られ効率化は必然の流れでした。
指定管理者制度はそうした時代の魔法の杖のような位置づけでした。

効率化とサービスの向上は両立しにくい目標です。
施設運営に投入される資金が細るなかでサービスを維持しようとするとしわ寄せが出ます。
職員が正規の職員から非常勤へとシフトされる傾向が強まりました。
流動化が進みサービスの向上につながる面もある一方で地位は安定しません。

行政が業者に丸投げする傾向が強まるのも懸念されました。
鎌倉芸術館ではサントリーパブリシティサービスが15年間指定管理者を務めました。
一昨年夏の公募に応じませんでした。
コロナの影響による収入減の補てんの折り合いがつかなかったと書かれていました。

管理運営方針の突如の変更も不信感を生みました。
すり合わせが不足していたということです。
指定管理者制度の負の側面が現われました。
一番重要な点がおろそかでした。大いなる教訓とすべきです


開成町のランドマークと言えるかやぶき屋根の古民家瀬戸屋敷も民間委託してます。
2017年度より6年半東京のコンサルタント会社が請け負ってます。
来場者数もコロナ前の水準に持ち直しつつあると聞いてます。
雇用の増加もありサービスの水準も上がりました。


第1期3年、2020年より第2期は5年の委託期間です。
5年は短いと思います。
10年にして5年ごとに内容を点検する方式の方が長期的視点に立って運営を考えられます。

町と委託業者との密接な協議の場が必須です。
丸投げは断じて避けなければなりません。