開成中学・高校の目指すべき道

10月29日の日経新聞2面の「直言」コーナーに目が留まりました。
開成中学・高校の野水勉校長のインタービューでした。
見出しは、さらば「東大一直線」でした。

東大への進学者数が42年連続トップで今年は116人です。
野水校長は1割程度の学生の海外進学を目指すとしてました。

財務省を始め高級官僚に開成出身者が多い印象があります。
学園理事長に財務事務次官を務めた武藤敏郎さんが長く就いていた印象が強いからです。
武藤さんと2010年に対談したことがあります。
開成つながりでです。

開成学園も開成町も名前の由来は一緒です。
中国の古典『易経』の「開物成務」からです。
「知識を開いて世のための務めをなす」という意味で学校の名前に多いです。
開成町は町ができた時に小学校名を町名にしました。

武藤さんは対談で開成学園はたくましさを大切にしていると言ってました。
野水校長も受験勉強は重視していないと語ってます。
頑張らなくても難関を突破するだけの素質があるのでしょう。
その素質を開花させるには目指す方向を定めなければなりません。

開成中学・高校は日本を担うトップ人材の育成機関とされています。
一流大に入りエリートとして羽ばたくことは保障されてます。
しかし何をするか目的をはっきりさせなくてはなりません。
あぐらをかくのは求められてません。

世界は分断が進み惨劇が今なお続いています。
気候変動の急激な変化は大規模災害の頻発を招いています。
日本の人口減少・少子高齢化は深刻です。
こうした難問に真正面からぶつかることがたくましさです。

開成学園のように一級の知性を有する若者が集う学校の責務があります。
泥まみれになって世界の難問解決に真っ向勝負を促すべきです。
気概あふれる人材を輩出する学校との評価が世界で定着することを目標とすべきです。

「開成」と名前が付いた学校は全国にあります。
開成中学・高校はそうした学校のお手本になる道を歩んで欲しいです。