ジョークにしてしまう力

中島みゆきさんの楽曲に「ジョークにしないか」があります。

明日また会えるように ジョークにしないか
きりのない願いは ジョークにしてしまおう

冗談めいた話にしてしまうことで関係を保とうとの呼びかけです。

たかが冗談されど冗談です。
場を盛り上げ和を保つ効果があります。

中島さんの歌はその冗談力を一歩進めて冗談にしてしなおうというのです。
ここまでくると人間力が不可欠です。
攻撃めいた発言を冗談だと笑って済ますのですから。

秋田県の佐竹知事が愛媛のじゃこ天など四国の物産を貶める発言をしました。
じゃこ天を「貧乏くさい」と言ってのけたのです。
佐竹知事は江戸時代、秋田藩を統治した家系です。
殿様気分の血が今なお流れているかのようです。
ただ語り口調は決して垢ぬけていないのはご愛敬です。

標的にされた愛媛県の中村知事の対応は一枚も二枚も上手でした。
冗談にしてしまったのです。
佐竹発言に対して批判の声がわき起こると逆手に取りました。
秋田県と四国4県とで物産展を開催し好評を博しました。
ジョークにしてしまった効果は絶大でした。

中村知事の長けたところは4国4県の共同イベントにしたところに伺えます。
愛媛対秋田の構図でなく秋田対四国の構図にあえて持ち上げました。
四国全体のためを考えた行動をとりました。
愛媛県が四国の盟主であることを印象付ける効果も狙ったかのようです。
したたかです。

ジョークにしてしまうには懐が深くなければなりません。
国も地方も政治はぎすぎすした雰囲気が強まっているように思います。
敵と思ったら攻撃する場面にしばしば出くわします。
ジョークが入り込む余地がありません。
対立から分断へと溝が深まります。

日本の政治の屋台骨を支えてきた保守側の懐が狭くなっているためだと思います。
全体を見渡して対立が行き過ぎないように調和させる技の持ち主が枯渇してます。
そうした中で中村知事が打った一手は政治の妙を示しました。
学ぶべきです。