開成町の視点で安倍総理の施政方針演説を読み解く~その1~
(開成町あじさいの里 町HPより)
1月24日から通常国会が始まりました。安倍総理大臣が施政方針演説を行いました。地方について重大な方針が語られています。
「地方が持つ大いなる可能性を開花させる」という章立てです。施政方針演説の章は全部で12。地方のことは8番目です。末広がりの章と考えましょう。
まずは農政の大転換から始まっています。地方の問題を農業政策からまず捉えているというところに注目する必要があります。
農政の中心はコメ対策です。減反と補助金のセットで語られてきたこの分野を本格的に見直しますという宣言を軽く見てはなりません。
この背景にはTPPがあることは確実です。原則関税自由化時代を踏まえて農地の集積を図りやる気のある農家を支援するという方針が鮮明です。
農業所得を確保して若者たちの農業への参入を促し農業を地方の成長産業とするという方針を高らかに宣言しています。
開成町を始め神奈川県西部においても水田は農業の柱の一つです。県西部全体としてコメ農業の構造転換に対応する用意ができているか心配です。
開成町のコメ農家を例にとれば、大半が兼業で平均年齢は70歳を超えています。新たな農業政策の展開についていくことができるかどうかです。
コメ農家や行政や農協がよほど本腰を入れて考えませんと全国の動きから置いていかれます。高みの見物をしていると手痛い目にあいます。
開成町は、町北部に美しい水田を守りそのあぜ道にあじさいを植えて独特の景観を創りました。その肝心要の水田をどうすれば守れるかが問われています。
水田の集約を進めて農業法人化を図り農業をこれからも産業として守り育てていくのか、それとも別の新たな道を歩むのかの岐路に立たされています。
開成町で農業を農業としてだけ捉えて産業として維持するのは困難です。規模が小さくとても自由競争に耐えられません。総合的に進める必要があります。
開成町にしかない景観を一段と整備して観光振興につなげたり開成町にしかない農産物の生産を行い加工するなどして差別化を図ることが必須です。
町で検討を始めた瀬戸屋敷周辺の新たな整備やホタル公園などは極めて大切です。自然エネルギーを活用するなどの独自性も不可欠です。
農業の再生のためには若い血がどうしても必要です。若者が開成町を舞台にひと勝負したいと思うような支援策を示すことが絶対条件です。
民間の知恵も取り入れながら総合的に進めることが大切です。実現できれば開成町が大都市周辺の農業再生のモデルです。期待して止みません。