日本人は何者なのか
12月からNHKの衛星放送の波が一波だけになりました.
NHKは見ごたえのある新番組を立ち上げなければなりません。
目玉が「フロンティア」です。
知の最前線を探求する科学ドキュメンタリーです。
初回は「日本人は何者なのか」がテーマでした。
大きく出ました。
急速に技術が進歩しているDNA解析による日本人のルーツを探る番組でした。
常識は2層モデルです。
原日本人ともいわれる縄文人のDNAが古層にあります。
その上にコメの栽培技術をもたらした弥生人のDNAが重なります。
ふたつの層の重なりが日本人を形成したとされてきました。
この見方が最新研究で覆されました。
縄文人と弥生人のDNAに加えて第3の層があり割合としてはその部分が圧倒的です。
中国大陸全域はおろか更に幅広い範囲からの流入が想定されます。
産業構造分析の第1次産業第2次産業第3次産業と一緒です。
第3次産業のサービス業が圧倒的なのとうりふたつです。
慶応大学教授の小熊英二さんが書いた『<日本人>の境界』という分厚い本があります。
日本人とは何かを近代の日本の歴史に沿ってえぐろうとしました。
帝国日本が貪欲に領土を拡大して行った歴史から日本人の境界を考察しました。
DNA解析はそんな人文社会科学的アプローチを一気に飛び越して本丸に切り込みました。
日本人は雑多な民族の融合で形成されています。
雑多な民族の結晶なのに単一民族と純潔を強調するのは矛盾です。
弥生時代の終焉からから古代国家が成立する8世紀初めまでの歴史の解明がカギです。
海外から大量移住時代があったことが想定されます。
謎がわかれば人類みな兄弟とまでいきませんがアジア人みな兄弟の発想に近づけます。
日本は瑞穂の国と言われます。
稲の原産地はインドや東南アジアです。
日本に根付きコメ作りの国となりました。
人も一緒です。
多様な人種が混じり日本人となりました。
思い込みで日本の純粋さを語ってはならないということです。