開成町の視点で安倍総理の施政方針演説を読み解く~その3~

あしがり瀬戸屋敷(開成町HPより)

安倍総理の施政方針演説で「地方の持つ大いなる可能性を開花させる」という章の柱として「観光立国」が、打ち出されました。

昨年、訪日観光客数が1千万人を突破しました。次は2千万人。フランスは8000万人です。2020年に向けてやればできると呼びかけています。

富士山がユネスコの世界遺産に登録されました。和食もです。日本のおもてなしの心は世界に通用します。観光で活力ある地方を創造しようと結んでいます。

観光が大切な施策であることは全く同感です。注意しなければならないのは観光とは何かというそもそもの意味をどう捉えているかです。

バブル期、地方に新たなリゾート地を作ろうとして大失敗した経験を忘れてはなりません。夕張が苦境をもう一度見つめ直しましょう。

無闇に開発し人を呼び込むことは決して地方を豊かにしません。観光という言葉が持つ意味を間違えて捉えていることによることに大失敗の原因があります。

観光という言葉は中国の古典易経から引いたものです。光を観ることが観光です。光とはそれぞれの地域が持つ暮らしぶりであり文化です。

観るは、見るではありません。よく見ることが観るです。じっくりと地域の良さを味わってもらうことに真の意味があります。

それぞれの地域が伝統を踏まえて優れた特色を打ち出して、その雰囲気を訪れた皆さんに堪能していただくことが観光の王道です。

開成町は、300年のかやぶき屋根の古民家瀬戸屋敷を再生しました。町の将来のためになるのならばと家主さんが町に寄付して下さいました。

来年は瀬戸屋敷が再生オープンして10年の節目です。このタイミングで瀬戸屋敷を中心に開成町でしか味合うことのできない観光を進めて欲しいです。

周囲に残る古民家や造り酒屋とも連携をとりながら町民の皆さんが主体となって町が光り輝くように頑張っている姿を観てもらいたいです。

渋くて古い雰囲気は若者の感性だって大いに刺激すると思います。古いものと若い感性がドッキングすると何が生まれるのか楽しみです。

外国人が求めているのは瀬戸屋敷のような施設です。古い文化財なのに世代を超えて集うことができる場です。みんなの我が家こそが新たな観光を創造します。