(朝日新聞デジタルより)
大阪でまた選挙です。橋下市長が最大の公約である大阪都構想の進展が見られない現状を打開しようと出直し市長選挙です。
議会との決定的な対立構造をそのままにして出直し選挙は安直です。ダダこねているか、悲壮な改革者を気取った冒険主義に見えます。
2011年11月、橋下徹大阪府知事が、大阪都構想を掲げて大阪市長選に立候補し府知事と市長選のダブル選挙選挙を仕掛けました。
圧勝して日本の政界に衝撃を与えました。一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いで国政、地方を問わずしっぽを振っていく政党や政治家が行列状態でした。
橋下市長は、大阪都構想を実現するためには国政を動かす必要があるとして石原東京都知事と組んで日本維新の会を立ち上げました。
2012年の12月の衆議院選挙でも勢いは続きました。しかし、従軍慰安婦などをめぐる一連の発言で批判を浴びて昨年7月の参議院選挙では失速しました。
失速を加速させたのは、昨年9月の堺市長選挙の敗北です。2009年の前回の堺市長選挙で現市長を勝たせたことが橋下神話の始まりでした。
勝たせた市長に裏切られて大阪都構想に反対されました。対抗馬を立てたものの敗れたことは橋下神話の事実上の終わりを告げるに等しかったです。
橋下劇場とも言える騒々しい政治が2年半続いています。マスコミに映し出される騒ぎだけでは実体は変わりません。橋下神話から卒業の時期が来ました。
大阪都構想を実現するためには公明党の協力が必要だと言っていながら慰安婦発言に見られるように公明党が嫌う国家主義的姿勢を取るのは大きな矛盾です。
構想を実現するための戦術は何も持ち合わせていなかったということです。大阪の皆さんは橋下市長の極端な言動に踊らされていたに過ぎません。
幕末期にええじゃないかと民衆が踊り狂う騒動がありました。困窮した民衆が幻想にすがろうとした一つの象徴です。現状は、それに似てます。
幕末には大塩平八郎の乱も大阪でありました。大阪が江戸幕府に楯突いた騒動です。こちらは鎮圧されたとは言え大阪の気概を示しました。
橋下市長が大塩のように本当に大阪のために身を捨てる覚悟を持っているのならば東京と手を組むのはおかしいです。石原さんと手を切って出直して欲しいです。