続・暴論と正論の間~開成町議山下レポート1月号~
日本の危機の源泉と見られているひとつが食料自給率の低さです。
開成町議の山下純夫さんはまやかしと断言します。
山下さんの持論です。
異端の農業経済学者で明治学院大教授の神門善久さんに見解を聞いたことがあります。
数値の意味のなさという点では一致してました。
山下さんは率をはじき出す項目に作意があり無意味だとしてます。
家庭菜園を除外しているなどです。
神門さんはグローバルな視点から食料は足りていて自給率は意味がないとしてました。
先進国が自国生産にこだわらず途上国から食料を買い上げることが大切だと語ってました。
12日の日経新聞の1面に食糧安保について書かれてました。
農地面積はピーク時の30パーセント減の432万ヘクタールです。
食糧500万トンが捨てられている飽食日本の無駄もあります。
日本の食を支えているのは輸入です。
12兆円の貿易赤字です。
自給率の向上を食糧安保に位置づけてました。
山下さんや神門さんの主張と真逆です。
農水省が食料危機を喧伝しているのは事実だと思います。
貿易環境が安定していれば食料が余剰傾向なのも事実です。
一方で国内農業の担い手が急激に減少し農地が守れなくなってきてます。
戦争が起これば途端に食料危機に直面する国が出ます。
山下さんは耕作放棄地は宅地として売れるようにと提案します。
農村部への人口流入を図るためです。
山下プランを実行すると農地と宅地のモザイクになります。
人口増加策としては立地条件によりばらつきが生じます。
開成町の象徴ともいえる田園空間としてあじさいの里があります。
住宅と混在すれば景観は一変します。
あじさい祭りも人気に陰りが出るでしょう。
かやぶき屋根の古民家、瀬戸屋敷の価値も下がります。
深刻なのは山下さんの意見を暴論だと無視できないことです。
農業の担い手の高齢化は進み事態はより深刻化しているからです。
農業振興区域の未来展望を根本から考え直すことが緊急課題となってます。