日本の知恵で悪貨に良貨を駆逐させない

EU=ヨーロッパ連合が困ったさんに振り回されました。
ハンガリーのオルバン首相です。

ウクライナへの資金支援案がまとまらず迷走しました。
8兆円の支援策でようやく全会一致にこぎつけました。

EUによるウクライナ支援は今後も継続されるはずです。
同様の事態が繰り返されることが大いに予想されます。

原因はオルバン首相とプーチン大統領との親密な関係です。
EUとして異分子を取り込み範囲の拡大をしてきたつけが一気に現れたかたちです。

今回の騒動を見ていると「悪貨は良貨を駆逐する」との格言を思い出します。
オルバン首相は駆逐寸前までEUを追い詰めました。

民主主義は良識を持った構成員の存在を前提として初めて円滑に機能します。
わからずやがひとり紛れ込んでしまうとたちまち混乱する危険性があります。

今回のようにウクライナ支援という共通価値に関わる事柄で駄々をこねられると厄介です。
合意できなければロシアという価値観が相反する国の利益に直結してしまいます。

ハンガリーを除名してしまえば良いとの意見も当然あります。
しかし想定外の事態でありとりまとめは相当の時間を要し事実上困難です。

厄介者のごね得みたいな状況になります。
民主主義のジレンマです。

ハンガリー以外の加盟国は対策を練り備えなければなりません。
江戸時代の村八分的手法しか思いつきません。

オルバン首相のような事例は日本の地方自治でも起こり得ます。
どこにでも困ったさんはいます。

複数の自治体の合議体である広域行政で異論が飛び出すと運営はとたんに停滞します。
その自治体のトップがオルバン首相のように強力ですと厄介です。

主張すること自体を止めさせる訳には行きません。
今回のEUと同じ状態に陥ります。

構成員からはじいてしまえば広域行政が成り立ちません。
粘り強く話し合う以外にありません。

お互い様精神を思い出せば合意に導けます。
民主主義を支える大前提は意外に日本の伝統的統治方法です。