究極の民主主義者


分厚い本が送られてきました。
『日本政治の解体新書』とのタイトルで1036頁あります。

値段は5千円+税となってました。
送り主は全く売れないことを承知です。

興味が無ければ枕にでもして下さいと書き添えてありました。
枕にするには大きさが足りませんが…。

著者は武田文彦さんといって御年80歳です。
新聞情報を整理して届ける会社経営のかたわら民主主義研究を続けてきました。

初めて会ったのはNHKを退職し政治家を志してから間なしの頃です。
30年が経ちました。

武田さんはリンカーンクラブという会を立ち上げ主張は一貫してます。
全ての有権者が投票することで政治革命を起こすというものです。

武田さんは「究極の民主主義」と名付けました。
1993年に『民主主義進化論』というタイトルの上下2巻の大著を出し提唱しました。

武田さんは情報革命によって民主主義は進化すると見ていました。
電子投票により投票しやすくなると読んでいましたが見誤りました。

武田さんは電子投票の前段階として国民投票制度を主張してました。
国論を2分するような課題について国民投票を行うというものです。

情報革命の成果を活かせば国民投票は容易になると考えました。
しかし実態はそうならず国民投票は行われませんでした。

国会内では存在意義を損ねるとして国民投票に抵抗感があります。
政府は民意に煽られることを恐れますので腰が引けます。

武田さんは国民主権と言いながら現状はまやかしだと捉えています。
新たな問題提起を準備してます。

ひとつは首相公選への論議の加速です。
国民のリーダーを選ぶ制度となれば否応なく関心は高まります。

もうひとつは投票を促すあめ玉制度の創設です。
マイナンバーにポイントを付与するとか直接現金を支給するとかです。

武田さんの主張は突飛に思われるでしょう。
背景には日本の政治が劣化している現状を憂いている真情があります。

極論だと退けるのは早計です。
一考に値します。