埋もれた偉人たちの物語に光を当て直す

高校球児の聖地は甲子園。
昨日春の選抜が終わり群馬の健大高崎が初優勝しました。

先月29日の日経新聞の文化欄の記事で今年が阪神甲子園球場開設100年だと知りました。
この球場は私にとってもなじみ深いです。

NHKに入り初任地は神戸放送局でした。
2年目に阪神間と呼ばれる尼崎市や甲子園球場のある西宮市を担当しました。

甲子園の名前の由来は開設された年が甲子(きのえね)の年に当たるからです。
暦に興味がある方にとっては有名な話です。

記事は球場を創設した当時の阪神電鉄の社長の話です。
三崎省三さんという方です。

かつて記者として取材していた私も恥ずかしながら存じあげません。
この人無くして甲子園球場はないと言って良い方だとのことです。

三崎さんは1867年現在の兵庫県丹波市生まれました。
アメリカに渡り苦学し大学で電気鉄道の設計を学びました。

帰国後阪神電鉄の鉄道建設の総責任者となりその後社長に就任しました。
現在球場のある地域一帯を行楽地にしようと構想を練っていました。

夢は現実となりました。
1924年「甲子園大運動場」という名の野球場を開設したのです。

この年の大会が全国中学野球の第10回大会でした。
今も続く夏の甲子園です。

記事の筆者は武庫川女子大の名誉教授です。
三崎省三の名が埋もれていることが残念でならないと書いてます。

世に知らしめ野球殿堂入りを目指すとのことです。
野球の世界で後世に残さなければならない歴史に光を当て直す意欲を感じます。

社長まで務めた人物であっても偉業が忘れ去られてしまいます。
名もなき市井のひとだったら振り向きもされない可能性が高いです。

一般に知られた著名人の物語は氷山と一緒で歴史の一角に過ぎません。
埋もれた偉人たちがあまたいて歴史を創造した事実を見落としてはなりません。

歴史を探求しているすべてのひとが大切にすべき視点です。
私も端くれのひとりとして埋もれた偉人の発掘をテーマに取り組みます。