AI時代に備えアナログ能力を養う

AI、人工知能全盛時代の到来。
仕事が奪われると恐れおののく向きもあります。

いつの時代も革命的な技術革新は労働パターンを激変させました。
廃業や業種転換も起こり得ます。

私が町長に就任した1998年はデジタル革命が本格化し始めた時でした。
高度成長の成功実例が通用しない時代に突入しました。

企業存続の危機と捉えた世界企業がありました。
富士フイルムです。

利益をたたき出していたアナログ写真フィルムが一気に売れなくなりました。
デジカメの急拡大のあおりを受けました。

この危急存亡の事態を業種転換のチャンスと捉えた経営者がいます。
元社長の古森重隆さんです。

医薬品や化粧品の開発へと会社の進路を導きました。
富士フイルムは今隆盛を誇ってます。

ピンチをチャンスに変えたといえます。
開成町もこの流れを見据えて富士フイルムの研究所誘致の一点に絞り働きかけました。

業種を転換する大事業を推進するには研究開発投資は必然だと思ったかです。
目論見はズバリ的中しました。

2006年富士フイルムの先進研究所が開成町にオープンしました。
開成町の新たな経済拠点の誕生となりました。

話しをもどします。
危機にはチャンスが潜んでいます。

その兆しを捉えられる感性を持てるかどうかが重要です。
これは人工知能によっては磨かれないと思います。

人工知能の本質は機械学習です。
膨大な過去のデータを収集分析して未来のパターンを見つけるやり方です。

この手の方法が有効なのは過去の前提が通用する場合です。
そうでない場合はいくら過去を学んでも有効打にはなりません。

過去を断ち切らなければならないのに過去を学ぶのは矛盾です。
未来からダイレクトに情報を得たいところですがそれは不可能です。

直観力を磨き上げ未来を感じとる能力を養うしかありません。
極めてアナログ的です。

どっぷりと自然に浸かることで喚起されます。
文化や芸術をとことん味合うことによっても引き出されると思います。