胸を張れる仕事をする

NHKの新プロジェクトXが始まりました。
平成の世紀の建設事業、東京スカイツリーでした。

高さ634メートルの曲芸のようなとび作業に挑んだ職人の誇らしさが印象的でした。
日焼けした顔から職人魂が伝わりました。

静岡県の川勝知事でも現場で鍛え上げた技は認めざるを得ないでしょう。
頭脳集団でないからダメだとは言わせません。

スカイツリーを通るたびに「俺が立てた。」と自慢しても誰も文句は言いません。
こんな仕事ができるのは職人の醍醐味そのものです。

後世に残る胸を張れる仕事は現場にへばりつき職人と同じような心意気が必要です。
机の前でパソコンの画面を見ているようではろくな仕事はできません。

東京スカイツリーを受注したゼネコンは大林組でした。
設計を担った責任者の方が出演してました。

あまりのアナログ人間ぶりにいささか驚きました。
四六時中電卓叩いて構造計算してました。

もちろんコンピューターを駆使して補っているはずです。
根っこのところは鉛筆なめなめしながら電卓で手計算です。


番組を視ながらかやぶき屋根の古民家瀬戸屋敷の再生事業を思い出しました。
今や「田舎モダン」な町をめざす開成町を象徴するランドマークです。

高さでは東京スカイツリーには到底及びません。
300年の古民家を現代に蘇らせて活用するという発想は決して負けてません。

瀬戸公雄さんというひとりの職人気質の職員がやり遂げました。
瀬戸さんは大学で建築を学び開成町役場に入りました。

瀬戸屋敷の再生事業が決定するとともに瀬戸さんを責任者に指名しました。
知識も粘り強さもあります。

小さな町役場ですので発注から管理までひとり何役もこなさなければなりません。
2000年から5年間ねじり鉢巻き状態でした。

瀬戸屋敷再生の立役者は”瀬戸さん”でした。
そばを通るたび「俺がやった。」と思っているはずです。

万人が認める仕事でした。
小さな町には瀬戸さんのような職人職員が輩出しないとうまく回りません。