欧米の物差しだけでなく日本に根差した視点を持つ
神奈川大まちづくり講義第2回は挑戦の仕方から始めました。
NHK新プロジェクトXを話題にしました。
根性物は若者に合うかなと疑問に思ってましたがそうでもないです。
視た人もいました。
どうすれば挑戦できるか補足しました。
二宮尊徳の助けを借りました。
成功実例を積み重ねる「積小為大(せきしょういだい)」戦術です。
挑戦しやすい心境になります。
もうひとつ大切なポイントは信頼できる仲間だと加えました。
チームで取り組めれば挑戦のハードルはさらに下がります。
小さな成功実例の積み重ねとワンチームです。
学生に肝に銘じてと伝えました。
講義全体のテーマは小さくてもきらり路線が日本を救う処方せんということです。
背景にある考え方は小さな共同体つまりまちやむらの可能性に対する確信です。
気鋭の経済学者斎藤幸平さんのベストセラーの『人新世の資本論』を参考にしました。
斎藤さんも共同体に注目しているからです。
共産主義を提唱したマルクスの思想で論考を進めています。
資本主義の危機から脱する拠点として共同体を位置付け鋭い問題提起をしています。
ただ、いまさら共産主義と驚きました。
ロシアや中国、北朝鮮の強権がちらつくからです。
マルクスに頼って論考を進めることにも違和感があります。
マルクスが分析したヨーロッパと日本とでは状況が異なります。
共同体で管理する土地をコモンと横文字を使っても実態を表しません。
日本では入会地のほうがピンときます。
日本に根差した視点も取り入れて総合的に議論するのが本来です。
再び二宮尊徳の登場です。
二宮尊徳は江戸時代末期に600もの疲弊した農村を再生させました。
こうした尊徳の実践も検討する必要があります。
欧米の視点だけで日本社会を分析してしまうと無理が出ます。
日本の社会科学の弱点だと思います。
講義後女子学生が感想を述べに来ました。
ずっと疑問に思っていたことを指摘してもらい考え直すきっかけを得たと言ってました。