二宮金次郎が苦笑いしている

昨日小田原で歴史団体が主催する二宮金次郎の講演会がありました。
ざっと見て100人以上の参加でほぼ満席でした。

金次郎の生まれ故郷の小田原では人気は根強いです。
しかし耳を疑うニュースが報じられました。

兵庫県三木市で市が二宮金次郎像を競売にかけるというのです。
閉校した小学校に設置されていたもので最低入札価格は1万円ということです。

三木市では金次郎像を不要物と見なしているとしか思えません。
少額でもお金が入る妙案だと考えているようです。

浅知恵です。
現代において金次郎がどのような意義を持つのか想像できてません。

薪を背負った金次郎像は過去の遺物との認識で思考停止しています。
幅広い視点で金次郎像を捉え直さないのか首を傾げます。

私はかつてNHK神戸放送局・姫路放送局に勤務経験があります。
三木市についてもある程度土地勘があります。

市のホームページによると人口は73656人。
人口戦略会議による消滅可能性都市からは外れました。

それでも2050年推計は48639人で厳しい状態です。
二宮金次郎が直面した江戸時代末期の状況と似通っています。

金次郎は低成長時代のむらおこしの達人で現代のまちづくりに応用できます。
学ぶ象徴として位置づけておかしくないです。

問題は担当者がそうした発想を持てるかどうかです。
これは職員のセンスというか業務とは関係のない日ごろの勉強に関わります。

トップの教養に裏打ちされた判断よっても左右されます。
トップが金次郎に対する見識を持っていれば話は簡単です。

競売にかけるという行為が与えるマイナス影響を想像できます。
競売を止め金次郎像を別の観点から見直すよう指示したでしょう。

三木市ではそうした統制が働きませんでした。
結果として教養の浅さが露呈してしまいました。

金次郎を取り巻く環境が厳しくなってます。
小田原の責任重大です。

金次郎の持つ現代的意義を発信して欲しいです。
生まれ故郷の責務だと思います。