逆転の発想のまちづくり
昨日の神奈川大学のまちづくり講義のテーマは逆転発想でした。
弱点と思い込んでいた要素が見方を変えると強みに変わります。
開成町はちっぽけな町だから今ひとつだと大方の職員も捉えていました。
でも平らではないかというところに価値を見い出しました。
1998年2月町長就任後ほどなく自転車のまちづくりへの挑戦を決めました。
当時の建設省がモデル都市の募集をしているという情報が入ったからです。
時事通信が発行している行政情報を眺めていて目に留まりました。
神奈川県議だった川上賢治さんから県が対象地を探していると伝えてくれました。
面白そうと直感しました。
問題は町の取り組む体制です。
後に副町長になる小澤均さんが都市計画の係長でした。
小澤さんの統率力を期待してチームを組みました。
県から派遣されていた職員にも参加してもらいました。
残りは若手です。
新しいことを始めるのには若い感性が不可欠です。
中堅の実力のあるリーダーが若手をまとめる形がベストミックスです。
年上の管理職の面々は面白くなかったはずです。
多少のあつれきは致しかたありません。
建設省にはぶっつけ本番に近いかたちで乗り込みました。
東京や名古屋といった大都市が並ぶ中での競争でした。
結果は成功。
全国14都市に選ばれたのです。
開成町の最大のセールスポイントはあじさいの里でした。
あじさいの咲き誇る田園空間を自転車が走るイメージは好印象でした。
あじさいが自転車のモデル都市になった最大の立役者です。
先人に感謝です。
自転車が通れるよう歩道の拡張や狭い交差点の改良ができました。
総事業費は9億円で7億円が国県の補助の予定でした。
事業は完了できませんでした。
警察庁と建設省の協議が整わなかったためです。
中央省庁の縦割りのすごさを実感しました。
これは今も変わらない日本の行政の構図です。
モデル事業の選定は職員に好影響を与えました。
自信が付き更なる大きな挑戦の前触れとなりました。